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2026年5月18日、アメリカ・カリフォルニア州オークランドの連邦裁判所で、Elon MuskがSam Altman・Greg Brockman・OpenAI・Microsoftを訴えた裁判の評決が下されました。9人の陪審員は約2時間の審議で全会一致の評決に達し、Muskの請求はすべて出訴期限(時効)を過ぎていたと認定しました。Yvonne Gonzalez Rogers連邦地裁判事もこの勧告的評決を即座に受理し、判決が確定しています。
Muskは2024年に訴訟を提起し、自身がOpenAIの非営利団体に寄付した3800万ドルが不正に使われたと主張していました。OpenAIが営利子会社を設立してAltmanやBrockmanが私腹を肥やし、Microsoftがそれを幇助したという内容です。しかし陪審は、Muskが2021年時点でOpenAIの営利化計画を認識していた証拠があると判断し、3年の出訴期限を超過していたと結論づけました。
この評決により、OpenAIにとって最大の法的リスクだった組織再編命令の可能性が消滅しました。OpenAIは年間売上200億ドルを超え、早ければ年内にもIPO(新規株式公開)を目指しているとされます。OpenAI側の主任弁護士William Savittは「Muskの訴訟は競合他社による後付けの工作にすぎない」と述べ、Microsoftも評決を歓迎する声明を出しました。
Musk側は即座に控訴の意向を表明しました。Musk自身はXへの投稿で「慈善団体を略奪した事実に疑いはなく、問題は時期だけだ」と主張し、判事を「活動家的」と批判しています。弁護士のMarc Toberoffはアメリカ独立戦争の敗戦に例え、「戦争はまだ終わっていない」と述べました。
一方、3週間にわたる裁判は法的結論とは別に、AI業界のリーダーたちの信頼性に深刻な疑問を投げかけました。Altmanについては、元CTOのMira Muratiを含む複数の証人が虚偽発言のパターンを証言しました。Musk側も、自身が率いるxAIで営利モデルを採用しながらOpenAIの営利化を批判する矛盾を指摘されています。Pew Researchの調査ではアメリカ成人の半数がAIの普及に懸念を示しており、業界トップの不誠実さが露呈したことで、AI産業全体への社会的信頼がさらに揺らぐ可能性があります。