Altmanの信頼性問題を調査報道記者が語る
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2026年4月、調査報道記者ロナン・ファローがThe Vergeのポッドキャスト「Decoder」に出演し、自身がThe New Yorkerに発表した1万7000語超のSam Altman特集記事について語りました。ファローは共著者のAndrew Marantzとともに18か月にわたり100人以上に取材を行い、OpenAI CEOの信頼性と誠実さに関する問題を詳細に報じています。
記事の中核となるのは、2023年のAltman解任劇の背景です。取締役会が解任を決定した後、条件として実施された大手法律事務所WilmerHaleの調査が、書面化されず口頭報告のみにとどめられたことが明らかになりました。元取締役のSue Yoonは「無責任なほど」自らのセールストークを信じ込む傾向があると実名で証言し、別の取締役は「病的な嘘つき」「ソシオパス」という表現を使っています。
Altmanの信頼性問題はOpenAIの事業関係にも影を落としています。Microsoftとの独占契約がある一方でAmazonとの新規提携を発表するなど、パートナー企業との信頼関係に緊張が生じています。Microsoft上級幹部はAltmanの行く末をバーニー・マドフやSBFになぞらえる発言をしており、社内でも多くの賛同があるとされます。ファローは、シリコンバレーの利己的な文化が問題の隠蔽を助長していると指摘しました。
ファローはAI業界全体の構造的問題にも言及しています。安全性の懸念を表明していた研究者たちが次々と沈黙し、連邦レベルのAI内部告発者保護法が存在しない現状を批判しました。AI企業のPACによる政治資金が規制を阻害する一方、世論調査ではAIのリスクが利点を上回ると考える米国民が多数派を占めつつあります。ファローは民主主義の基本的な仕組みと有権者の行動が、最終的にはこの業界への外部的な抑制力になり得ると述べています。
Altman自身はこの傾向を「人を喜ばせたい性格と対立回避」に帰し、過去の問題だと主張しています。しかしファローは、長時間の取材を通じて深い自己省察の欠如を感じたと述べました。OpenAIがIPOを控える中、こうした信頼性の問題は投資家・規制当局・一般市民にとって無視できない論点となっています。