マスク氏がOpenAIを提訴、設立理念めぐり裁判へ
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イーロン・マスク氏がOpenAIの共同創業者サム・アルトマン氏らを相手取り、カリフォルニア州オークランドの連邦裁判所で2026年4月中に裁判が開かれます。争点は、OpenAIが非営利組織として設立された際の理念、すなわちAGIを人類の利益のために開発するという使命から逸脱したかどうかです。9人の陪審員がこの判断を下すことになります。
マスク氏の主張は3つの柱で構成されています。第一に、OpenAIが慈善信託に違反したという点です。マスク氏は初期に約3,800万ドルを寄付しましたが、OpenAIはその後営利部門を設立し、最先端モデルのコードを非公開としました。第二に、アルトマン氏とブロックマン氏が営利化の意図を隠して寄付を募った詐欺の主張です。第三に、被告らが不当に利益を得たとする不当利得の返還請求です。
この裁判はOpenAIの企業戦略に直接影響を及ぼす可能性があります。同社は2026年中のIPOを計画しており、不利な判決が出れば計画に支障をきたしかねません。マスク氏はアルトマン氏とブロックマン氏の解任、不正利益の非営利部門への返還、そして公益法人としての存続の差し止めを求めています。
一方で、マスク氏自身がxAIという競合AI企業を運営しているため、利益相反の問題も指摘されています。法律専門家からは、州の司法長官がすでに営利転換を承認している中で、私人による異議申し立てを裁判所が認めることへの疑問も出ています。ただし元OpenAI研究者らは、たとえマスク氏の動機に問題があっても、OpenAIの設立理念への説明責任を追及する意義はあると述べています。
裁判では、アルトマン氏やブロックマン氏に加え、元チーフサイエンティストのイリヤ・サツキーバー氏、マイクロソフトのナデラCEO、元CTO のムラティ氏など多数の証人が出廷する予定です。OpenAIの初期の内部メールや日記など、未公開の資料がさらに明らかになる可能性もあり、AI業界の今後を左右する注目の裁判となっています。