Anthropic、エージェント基盤で企業市場に本格参入

オーケストレーション争い

エージェント制御層が新たな主戦場に
Microsoft 38.6%首位、Anthropic 5.7%で初参入
企業の選定基準はセキュリティと権限管理が最重要

PwCとの大型提携拡大

数十万人規模Claude Code展開へ
3万人のClaude認定プログラム開始
保険引受10週→10日など70%短縮実績
CFO向け新事業部門を設立

Claude Codeの急成長

年10倍想定に対し80倍の利用増
Pro・Maxプランの利用上限を倍増
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Anthropicがエンタープライズ向けAIエージェント基盤の構築を加速しています。VentureBeat独自の調査によると、企業向けエージェントオーケストレーション市場でMicrosoft Copilot Studioが38.6%、OpenAI Assistants APIが25.7%とリードするなか、Anthropicが2026年2月に0%から5.7%へ初めて参入しました。AI競争の焦点はモデル性能から、エージェントの実行環境・権限管理・監査ログといった制御層(コントロールプレーン)へ移行しつつあります。

この動きと呼応するように、AnthropicはPwCとの戦略的提携を大幅に拡大しました。PwCは米国チームを皮切りに数十万人規模の全社展開を進め、3万人のClaude認定プログラムと共同センター・オブ・エクセレンスを立ち上げます。CFO組織変革に特化した新事業部門も設立され、金融・医療・ライフサイエンスなど規制業界から着手します。

すでにPwCの本番環境では目覚ましい成果が出ています。保険引受業務は10週間から10日に短縮、サイバーセキュリティのインシデント対応は数時間から数分へ、HR変革では1週間でプロトタイプを完成させ2カ月で本番稼働に至りました。納品期間は最大70%短縮されたと報告されています。

一方、Claude Codeは想定の年10倍を大幅に超える80倍の利用増に直面しています。製品責任者のCat Wu氏はArs Technicaの取材に対し、長期ロードマップを持たず、モデル能力の向上と開発者のフィードバックに応じて方向性を決める「リーンハーネス」方針を明かしました。計算資源の逼迫に対しては、SpaceXとの提携によるインフラ増強とPro・Maxプランの利用上限倍増で対応しています。

企業の購買判断ではセキュリティと権限管理が最重視され(37〜39%)、ベンダーロックインへの懸念も高まっています。調査ではハイブリッド型のオーケストレーション構成が35〜36%と最多で、単一プロバイダーへの依存を避ける姿勢が鮮明です。AnthropicManaged AgentsやMCPのオープン標準化はモデル層から実行基盤層への拡大を狙う戦略ですが、真のインフラ勝負はこれからです。