Nscale、AI分散処理のAnyscaleを16.5億ドルで買収

買収の概要

買収16.5億ドル
Anyscaleは独自ブランド継続
従業員約200人がNscaleへ

垂直統合の狙い

電力からソフトまで一貫
ソフトと基盤の協調設計
3月の評価額146億ドル

買収先の実力

分散処理基盤Rayの開発元
直近四半期の売上70%増
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イギリスのAIクラウド企業Nscaleは7月30日、AIの処理を複数のサーバーに分散させるソフトウェア企業Anyscaleを買収することで最終合意したと明らかにしました。買収額は16.5億ドルとブルームバーグが匿名の関係者の話として伝えており、Nscaleは電力データセンターに加えてソフトウェアの層まで自社で押さえ、顧客のAI支出をより広く取り込む構えです。

Nscaleは電力データセンター、オーケストレーションソフトと事業を積み上げてきた新興クラウド、いわゆるネオクラウドです。今回の買収でワークロード管理とスケーリングの層が加わり、計算基盤を上から下まで一社で提供する体制に近づきます。

Anyscaleは、オープンソースの分散処理フレームワークRayを開発したチームが立ち上げた企業です。当初は大量の計算資源を要する処理を動かす基盤を提供していましたが、GPT-3の登場でAIが脚光を浴びた後、大規模言語モデルの学習と推論、データ整備、強化学習などの支援へ軸足を移しました。開発者向けツールや可観測性、オーケストレーションをRay上で束ねている点が特徴です。

Anyscaleは声明で、両社が組めばソフトウェア層とその下の基盤を一体で設計でき、それぞれが自社の層だけを最適化するよりも効果が大きいと説明しています。AIの運用コストは計算資源の使い方で大きく変わるため、ソフトとハードを同時に調整できる体制は価格競争力に直結します。

Nscaleは3月のシリーズCで20億ドルを調達し、評価額146億ドルに達しました。出資者にはNvidia、Nokia、Blue Owl、Dell、ノルウェーの産業大手Akerが名を連ね、MicrosoftやBritish Telecomとも計算資源やデータセンター提携を進めています。

Anyscaleの評価額は2022年のシリーズCの時点で13.8億ドルでした。直近四半期の売上高は前の四半期と比べて70%増と伸びており、買収後も独自のブランドで既存顧客への提供を続け、約200人の従業員は全員がNscaleに加わります。