企業のAI基盤投資、採算把握を上回る速度で拡大
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米メディアのVentureBeatが2026年第2四半期に企業107社を対象に実施した調査で、AIインフラへの投資が、その採算を把握する能力を上回る速度で膨らむ実態が明らかになりました。同社はこの状態を「コンピュートギャップ」と呼び、投資意欲が可視化の仕組みを先行させていると指摘します。本番でAIを大規模運用する企業はわずか21%にとどまり、支出計画は現状の成熟度を追い越しつつあります。
企業が現在AIを動かす基盤は、ハイパースケーラーとモデルAPIが中心です。Google Cloudが48%で首位に立ち、CoreWeaveやLambdaといったAI専用クラウドの利用はほぼゼロにとどまります。ところが今後1年で評価したい領域の首位は、まさにそのAI専用クラウド(45%)であり、企業は現状ほとんど使っていない基盤へ次の一手を向けています。
乗り換え意欲も旺盛です。基盤の中核であるコンピュートでありながら、64%が1年以内に、38%が次の四半期にプロバイダーの切り替えや追加を計画しています。ただし選定の決め手はトークン単価ではなく、既存環境との統合(41%)と総保有コスト(35%)であり、100万トークンあたりの価格を最重視する企業はわずか8%でした。
投資の速さに対し、コストの可視化は追いついていません。GPUを運用する企業の83%が稼働率50%以下と回答し、厳密にコストとリターンを追跡できているのは44%にとどまります。高価なアクセラレーターが遊休状態で眠り、企業は既に保有する資産の採算を測れないまま、さらなる調達へ向かっているのです。
次の制約も見え始めています。大規模推論ではボトルネックがGPUの計算能力からメモリ帯域へ移りつつありますが、約18%の企業はこの変化を認識すらしていません。VentureBeatは、より多くのハードウェアを買い足すだけではコンピュートギャップは埋まらないとし、まず既存資産のコストを可視化できるかが問われると結論づけています。