Impulse Space、5億ドル調達で200人採用へ
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SpaceXのエンジン開発の第一人者であるTom Mueller氏が設立した宇宙スタートアップImpulse Spaceが、シリーズDで5億ドル(約750億円)を調達しました。137 VenturesとBANNER VCがリードし、Founders Fund、Lux Capital、Linse Capitalが参加しています。調達資金は最大200人の新規採用に充てられます。
同社は宇宙空間での機動力に特化した企業です。米宇宙軍向けの高機動プラットフォーム「Mira」と、衛星を高軌道へ迅速に運ぶ「Helios」を開発しています。米政府が国家安全保障への投資を拡大するなか、宇宙・防衛テック分野への投資家の関心が本ラウンドを後押ししました。
注目すべきは、同社がAIではなく人材採用を優先している点です。社長兼COOのEric Romo氏は、ハードウェア設計の分野ではAIモデルがまだ実用段階にないと指摘しています。SpaceXの13番目の社員だった同氏は、エンジン設計シミュレーションの精度が「正解の20%以内なら成功」だった経験を語り、現在もその状況は大きく変わっていないと述べています。
Romo氏はAIツールの課題として、ターボポンプのシール設計のような専門的な訓練データがインターネット上にほとんど存在しない点を挙げています。ソフトウェアチームではAIコーディングツールを活用しているものの、物理的なエンジニアリングでは「設計し、分析し、製造し、試験台に載せる」以外に代替手段はないとの見解です。
同社は航空宇宙人材の獲得競争に対応するため、コロラドに新拠点を開設しました。ロサンゼルスだけでなく、シアトル、デンバー、テキサスなどエンジニアの選択肢が広がっていることが背景にあります。次のマイルストーンとして、年内にMira宇宙機の新たなミッション打ち上げを予定しています。