Kore.aiが新AIエージェント基盤Artemisを発表

プラットフォームの技術的特徴

YAML基盤の独自言語ABLを開発
AI設計からデプロイまで自動化
LLMと業務ルールの二重頭脳構造
175種のAIモデルに対応

大手に挑むベンダー中立戦略

Microsoft Azure上で先行提供
Agent 365との深い連携を実現
マルチクラウド展開で囲い込み回避
規制業界で500社超の顧客基盤
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エンタープライズAI基盤を手がけるKore.aiは2026年5月21日、AIエージェントの設計・構築・運用を根本から刷新する新プラットフォーム「Artemis」を発表しました。MicrosoftSalesforceGoogleなど大手テック企業がAIエージェント基盤の覇権を争うなか、同社はベンダー中立と独自の中間言語を武器に差別化を図ります。

Artemisの技術的中核は「Agent Blueprint Language(ABL)」と呼ばれるYAMLベースの宣言型言語です。ABLはAIエージェントの定義・検証・ガバナンスを標準化し、GitHubでのバージョン管理やCI/CDパイプラインとの統合を可能にします。さらに「Arch」と呼ばれるAIシステムが、自然言語のビジネス要件をABLコードに変換し、テストデータ生成からデプロイ、運用後の最適化まで自動で実行します。

規制産業への対応として、Kore.aiは「デュアルブレイン・アーキテクチャ」を採用しました。LLMによる推論エンジンと、業務ルールを決定論的に実行するエンジンが共有メモリを介して並行動作する仕組みです。ガードレールはモデル側ではなくプラットフォーム層で強制されるため、銀行や医療など厳格なコンプライアンスが求められる業界でも安全に運用できます。

同社はMicrosoft Azureを初期提供先とし、Azure Foundry、Agent 365、Dynamics 365との深い連携を実現しています。一方で175種のAIモデル対応やAWSGoogle Cloudへのマルチクラウド展開を掲げ、ハイパースケーラーへのロックインを回避する中立的選択肢として自社を位置づけています。

導入実績も大規模です。米国最大級の薬局チェーンでは年間約7億5000万件の電話対応にKore.aiを活用し、契約から6カ月で全9000店舗への展開を完了しました。世界第2位の投資銀行では13万5000人の従業員・請負業者が同社のAI for Workを利用しています。累計調達額は約2億2300万ドルに達し、Gartner、Forresterの各調査でリーダーに選出されるなど、アナリスト評価でも存在感を示しています。