Gartner、欧州の主権クラウド支出83%増を予測
詳細を読む
Gartnerは2026年、欧州の主権クラウドIaaS支出が前年比約83%増の126億ドルに達すると見込みました。欧州委員会がデジタル自律性を強める一方、Equinixは、企業がデータや基盤の運用権限を保持し、民間接続で世界のクラウドへつなぐ「中間路線」を提案します。全面的な国内所有ではなく、業務の機密性に応じた統制で法令順守と競争力の両立を目指す考えです。
欧州委員会によると、EUは主要なデジタル製品・サービス・基盤・知的財産の80%超を域外国に依存しています。委員会は2026年6月、半導体、AI、クラウド、オープンソースを対象とする欧州技術主権パッケージを提示しました。
これに先立つ2026年4月、欧州委員会は欧州4社に6年間で最大1億8000万ユーロの主権クラウド契約を発注しました。EU機関のクラウド調達で、明示的かつ測定可能な主権基準を適用した初の事例です。
記事を提供したEquinixは、主権を技術一式の所有ではなく、データ、インフラ、アクセス、運用権限、データ移動を誰が管理するかという連続的な問題と捉えます。中立的なコロケーションでは、顧客がデータと基盤を保有・運用し、提供会社はワークロードやデータ層を管理しないと説明しています。
この構成なら、銀行は規制対象の業務と市場データを域内に置きつつ、非公開の制御された接続を通じてクラウドAIや分析機能へ到達できます。経路制御は通常時だけでなく、障害時の切り替えでも司法管轄要件に沿うよう設計できますが、最終的な順守責任は企業側に残ります。
一方、Oxford Economicsのアジア太平洋地域向け試算は、厳格な主権AI政策が企業のAI導入を約3〜5年遅らせる可能性を示しました。欧州を直接試算した数字ではありませんが、記事はインフラの重複や先端技術への接続遅延が、欧州でもコスト増と生産性低下につながり得ると指摘します。業務の機密性に応じて、保管場所、アクセス権、運用主体、越境経路、障害時の切り替えを証明できる形にすることが要点です。