オランダ保険大手Univé、ChatGPT週次利用率85%
全社に広がる利用
保険業務での効果
浸透を支えた設計
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オランダ最大級の協同組合系保険会社Univéが、ChatGPT Enterpriseを全社に展開し、配布ライセンスの97%が有効化、85%が毎週利用する状態をつくったと、OpenAIが7月31日に導入事例として公開しました。同社はAI導入をIT案件ではなく組織変革と位置づけ、経営層の意識改革とガバナンス設計を先に固めたうえで、従業員自身に自分の仕事の作り替えを任せる進め方を採りました。
出発点は経営層でした。同社は管理職を集めてAIリーダーシップ・セッションを開き、製品デモではなく「仕事そのものがどう変わるか」「自分たちが何を担うか」を問い直させました。管理職の役割は、AI施策を承認することから、責任ある実験ができる環境をつくることへと移っています。
ガバナンスは後付けではなく、展開初日から組み込まれました。企業認証、コネクタの権限継承、プライバシー評価、セキュリティレビュー、継続的なモニタリングを整え、AIが従業員の既存権限を超えて情報にアクセスしないようにしています。ガードレールを先に敷いたことで、統制が実験の加速装置として働きました。
現場は、案件ごとに詳細な稟議を求められることなく動けるようになりました。従業員には権限と時間と型が与えられ、全社で毎週数百時間を業務の再設計に充て、約1500個のカスタムGPTを作り出しています。利用は保険金請求や引受から財務、人事、法務、IT、顧客対応まで、ほぼすべての知識労働に及びます。
効果が最もはっきり出たのがペット保険の請求処理です。Workspace Agentが請求ファイルの組み立て、動物病院の請求書確認、約款との突き合わせ、不足情報や異常値の指摘までを担当者の着手前に済ませ、従来数時間かかった準備が数分で判断可能な状態になります。最終決定の責任は、あくまで訓練を受けた担当者が負う設計です。
引受業務でも、担当者の出社前にWorkspace Agentが案件キューを点検し、承認済みの社内データを突き合わせて、不足書類やリスク指標、優先すべき案件を整理しておきます。同社はこうしたエージェント型の業務準備を次の段階と位置づけ、新しい用途もすべて既存のガバナンス枠組みで評価する方針です。