Ai2、衛星画像推論基盤OlmoEarthを公開

基盤の狙い

環境NGO向け大規模推論基盤
1平方kmあたり1セント未満

惑星規模の並列

北米図を約30時間で生成
最大994GPUを並列稼働
逐次比155倍の高速化

技術と展望

CPU・GPUの3段階分担
埋め込みやマルチクラウド計画
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米AI研究機関のAi2は7月28日、地理空間モデルを惑星規模で運用するための基盤OlmoEarth Platformを公開しました。同基盤は、約10テラバイトの多様な衛星データで事前学習した地球観測モデル群を、微調整から大陸規模の大規模推論まで一貫して扱えるようにするものです。森林破壊の監視や食料安全保障、山火事リスク評価などに取り組む政府やNGOでの活用を想定しています。

最大の特徴は、処理の規模とコストです。プラットフォームは大陸規模の領域でも約1日推論を完了し、数十テラバイトの画像を1平方キロメートルあたり1セント未満で処理できるといいます。衛星画像の取得・整列・処理という重い前処理と、モデル推論、結果の地図化を切り離した点が鍵です。

Ai2は各ジョブを3段階に分け、データ取得と前処理はI/O重視のCPU、推論GPU、後処理はCPUと、工程ごとに最適なハードウェアを割り当てています。実際に北米全域の山火事リスク図を生成した際は、ピークで約19,600のCPUと994のGPUを並列で動かし、通信速度は毎秒168ギガバイトを超えました。これにより、逐次実行なら推定4,737時間かかる処理を約30.5時間に短縮し、155倍の高速化を実現したとしています。

大規模推論では、外部の衛星画像サービスに大量の問い合わせが集中する課題があります。そこで同基盤は独自のメタデータ索引を持ち、新しい画像が公開されるたびに通知を受け取ったり定期的に確認したりすることで、外部への負荷を平準化しています。加えて全タスクを冪等に設計し、失敗しても自動で再試行や別提供元への切り替えを行う仕組みを備えます。

今後は、画像の更新を検知した自動推論や変化のアラート通知専門家に頼らず使えるエージェント機能などを整える計画です。事前に計算した埋め込みを使えば推論をさらに高速・安価にできる可能性もあり、現在のGoogle Cloudから複数クラウド提携先の環境への展開も見据えています。Ai2は、資源の限られた環境保護や災害対応の組織にこそ、こうした基盤が必要だと訴えています。