NASA、Google製LLMを宇宙で初運用し衛星画像を解析

軌道上での初実証

Google製LLMで衛星画像を解析
地上検証で88%の精度
現地上空での実撮テスト

軽量な仕組み

4ビット圧縮のGemma採用
8GBメモリで動作可能
微調整なしの基盤モデル

意義と展望

意味圧縮で通信量を削減
山火事の早期検知に応用
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米航空宇宙局(NASA)のジェット推進研究所(JPL)は、Googleの視覚言語モデル「Gemma 3」を人工衛星上で稼働させ、衛星自身のセンサーが撮影した画像軌道上で解析する世界初の実証に成功しました。用いたのは「NAVI-Orbital」と呼ぶソフト基盤で、Loft Orbital社の衛星「YAM-9」に搭載しました。地上からプロンプトを送るだけで探索内容を変えられる点が、従来の宇宙機運用と大きく異なります。

NAVI-Orbitalは、LangGraphを使った制御役が処理を統括し、4ビットに圧縮した「Gemma 3 4B」を動かして画像を平文で説明します。7,960枚の画像を使った地上ベンチマークでは88%の精度を記録しました。このモデルは特別な学習や微調整を受けておらず、Hugging Faceから誰でも入手できる基盤モデルと同じものです。

実際の撮影実験では、Nvidiaの小型演算モジュール「Jetson Orin AGX」上でGemma 3を動かしました。40億パラメータの4ビットモデルは8ギガバイトの記憶容量だけで動くため、消費電力の小さな端末でも稼働します。実証ではフランスのトゥールーズ上空とアルゼンチン沖で2回の実撮テストを行い、画像の説明文生成や質問への応答を確認しました。

関係者が最も期待するのは、意味圧縮と呼ぶ手法による通信量の削減です。衛星は生の画像データではなく、要点をまとめた数十キロバイトのテキストだけを送れば済むため、通信が遅くても実用的に運用できます。応用例としては、現在は最大90分の遅れが生じる山火事の検知を、機上での解析によって短縮できる可能性が挙がっています。

一方で、Gemma 3が衛星を操縦しているわけではありません。NAVI-Orbitalは飛行制御ソフトから意図的に切り離され、画像の読み取りと説明の生成に役割を限定しています。それでも対象を変えたいときはプロンプトを書き換えるだけで済み、開発チームは将来、宇宙飛行士を自然言語で支援する相棒への発展を目指しています。