ロボットハンドのProception、Tesla提訴和解と11億円調達

和解と資金調達

Tesla営業秘密訴訟が和解で終結
First Round主導の1100万ドル調達
Y CombinatorとBoxGroupが参加
高精度ロボットハンドの出荷開始

技術と狙い

22自由度の人間並みハンド
センサー搭載グローブで触覚データ収集
ハンド供給の最大手を目指す
詳細を読む

ロボットハンド開発の新興企業Proceptionは6月29日、元雇用主であるTeslaとの営業秘密訴訟を和解で決着させ、同時に1100万ドルのシードラウンドを調達したと発表しました。同社を率いるJay Li氏はTeslaの人型ロボット「Optimus」プログラムの技術リードを務めた人物で、昨年Teslaから企業秘密を持ち出したと提訴されていましたが、今月初めに訴訟は取り下げられました。

資金調達First Round Capitalが主導し、Y CombinatorとアーリーステージファンドのBoxGroupが参加しました。Li氏は一連の訴訟について「打たれ強さを試されたようなもの」と振り返り、経験を経て会社はむしろ強くなったと語っています。

Proceptionは同日、高精度ロボットハンドの初回出荷を研究者やロボット企業向けに開始し、広く受注も始めました。狙いは、開発に時間や資源をかけたくない他社に対し、ハンドを供給する最大手になることです。

技術の核心はセンサーを多数搭載したグローブにあります。人間のテスターがグローブとヘッドセットを装着することで、ロボットを介さずに人間の手の操作データを収集でき、同じグローブはハンド側のセンサー皮膚としても機能します。ハンドは22の自由度を持ち、指ごとに複数の関節を備えることで幅広く器用な動作を可能にします。

多くの企業はVRヘッドセットを使う遠隔操作でロボットを訓練していますが、Li氏はこの方式では操作者が物体からの触覚フィードバックを得られない点を課題に挙げます。スケール可能なデータ収集と高度なハードウェアの組み合わせこそが、器用な操作という難題を解く鍵だと主張しています。

投資を主導したFirst RoundのBill Trenchard氏は、Proceptionが市場で最も高性能なハンドを持つだろうと評価し、器用な操作は人型ロボット普及の最後の難所だと位置づけました。人型ロボットの手の実現には10年かかるとの見方もある中、同社がどこまで開発を加速できるかが注目されます。