元GoogleとApple研究者、継続学習AI基盤を創業
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元Google DeepMindやAppleなどのAI研究者が二十七日、新興企業Trajectoryを立ち上げたと発表しました。利用者の実際の操作データを学習に取り込み、企業のAI製品を継続的に改善する基盤を提供します。シードラウンドで1500万ドルを調達し、投資後評価額は1.15億ドルに達しました。
出資はベンチャーキャピタルのConvictionが主導し、Bessemer Venture PartnersやRadical VC、BoxGroupも参加しました。個人投資家としてGoogle DeepMindの主任科学者ジェフ・ディーン氏や、スタンフォード大学教授でWorld Labs最高経営責任者のフェイフェイ・リー氏も名を連ねています。最高経営責任者のロナック・マルデ氏は元WindsurfのAI研究者で、買収を経てGoogle DeepMindに移った経歴を持ちます。
同社が挑むのは、学習後に性能が固定化する現行の大規模モデルの限界です。OpenAIやGoogle、Anthropicが大規模言語モデルの能力を高めてきた一方で、運用中に誤りから学ぶ仕組みは未確立でした。チューリング賞受賞者のリチャード・サットン氏も二〇二五年十二月のNeurIPSで、継続学習が超知能の鍵だと指摘しています。
Trajectoryはオープンソースモデルを起点に、顧客ごとに事後学習を施します。顧客のひとつ、AI接客エージェントを手掛けるDecagonでは、人間に引き継がれた問い合わせなど失敗事例を記録し、おおむね週次でモデルを再学習します。狭い業務領域では、最先端の汎用モデルより高い精度を出せると主張しています。
顧客は法務AIのHarveyや営業AIのClayなどAIネイティブ企業が中心で、今後はフォーチュン500への展開も視野に入れます。共同創業者のマイケル・エラブド氏は、将来は毎日、さらには毎時や対話ごとにモデルを更新する世界を目指すと語ります。社員ごとに専用AIを育てる構想も口にしました。
もっとも、週一更新では真の継続学習とは呼べないとの批判も残ります。同社は静的なAIから動的なAIへの移行を掲げますが、検証が容易なコーディング以外の領域で成果を示せるかが当面の試金石となりそうです。