SandboxAQが創薬AIモデルをClaude上で提供開始

提携の概要と狙い

自然言語で創薬モデルを操作
専用計算基盤が不要に

LQMの技術的特徴

物理法則に基づく定量モデル
量子化学計算と分子動力学を実行
実験前に分子挙動を予測可能

市場への影響

対象は製薬・素材の研究者層
50兆ドル超の定量経済圏を標的
詳細を読む

Alphabet発のAIスタートアップSandboxAQは2026年5月18日、Anthropic提携し、自社の創薬・材料科学向けAIモデルをClaudeに統合したと発表しました。これにより研究者は専用の計算インフラを用意せずとも、自然言語の対話インターフェースを通じて高度な分子シミュレーションを実行できるようになります。

SandboxAQが開発するLQM(大規模定量モデル)は、テキストのパターンではなく物理法則に基づいて訓練された独自のAIモデルです。量子化学計算、分子動力学シミュレーション、化学反応の微視的動力学解析を実行でき、候補分子が実験室で実際にどう振る舞うかを事前に予測します。同社のAIシミュレーション部門GMであるNadia Harhen氏は「フロンティア級の定量モデルがフロンティア級のLLM上で自然言語からアクセスできるのは初めて」と述べています。

創薬分野では、有望な分子を1つ見つけるのに10年以上と数十億ドルの費用がかかり、それでも大半の候補が脱落するのが現実です。Chai DiscoveryやIsomorphic Labsといった競合がモデルの科学的精度を追求する中、SandboxAQは「誰が使えるか」というアクセシビリティの問題に焦点を当てています。従来、LQMの利用には専門的なデジタルインフラが必要でしたが、Claude統合によってその障壁が取り除かれました。

SandboxAQはエリック・シュミット元Google CEO が会長を務め、累計9.5億ドル以上を調達しています。同社はバイオ医薬品、金融、エネルギー、先端素材など50兆ドル超の「定量経済圏」を事業ターゲットに掲げており、サイバーセキュリティ事業も展開しています。今回のClaude統合は、計算科学者だけでなく実験科学者や製薬企業の研究者にもAI創薬ツールの門戸を広げる取り組みとして注目されます。