AIデータセンター急増で米各地の電力危機が深刻化

住民の反発拡大

ペンシルベニア州で225人規模の抗議集会開催
反対派Facebookグループが1.2万人超に急成長
世論調査で68%が地元建設に反対

電力供給の構造的逼迫

NVエナジーに22GW超のDC接続要求が殺到
レイクタホが2027年5月までに電力供給元の切替を迫られる
ユタ州で州全体の2倍超を消費しうる巨大DC計画が承認
地域の電気料金上昇が不可避に
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AIデータセンターの建設ラッシュが米国各地で深刻な電力問題を引き起こしています。ペンシルベニア州では約60件のデータセンター計画が進行中で、電気料金の上昇や大量の水消費、騒音公害、農村部の工業化に対する住民の不満が噴出しています。5月14日に開かれたオンラインタウンホールには約225人が参加し、20人以上が反対意見を表明しました。

住民の怒りは政治にも波及しています。データセンター誘致を進めるシャピロ知事に対し、支持層からも批判の声が上がっています。環境団体Better Path Coalitionが1月に立ち上げた反対派Facebookグループは、数十人から1万2千人超へと急拡大しました。クイニピアック大学の2月の世論調査では、登録有権者の68%が地元へのAIデータセンター建設に反対と回答しています。

一方、ネバダ州ではデータセンター需要が既存の電力供給を圧迫しています。レイクタホ地域に電力を供給するLiberty UtilitiesとNVエナジーの契約が2027年5月に終了予定で、NVエナジーが抱える22GW超の接続要求はレイクタホのピーク需要の40倍以上に相当します。データセンター事業者が高額の電力料金を支払う意思を示す中、従来の住民顧客が後回しにされる構図が鮮明になっています。

電力逼迫は広域に及んでいます。隣接するユタ州では、最大9GWを消費する約1万6千ヘクタール規模のデータセンター開発が郡委員会で承認されました。ユタ州全体の現在の電力消費量が約4GWであることを考えると、地域全体の電力価格への上昇圧力は避けられません。

AIインフラの急拡大がもたらすエネルギー負荷は、テクノロジーの恩恵をほとんど受けない地域住民に最も大きな負担を強いています。住民の政治的反発と電力供給の構造的な限界が、データセンター投資計画の見直しを迫るリスク要因として浮上しています。