AIデータセンターの電力問題に変電所分散型と蓄電池で対抗
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AIデータセンターの電力消費が急増するなか、Nvidiaと米電力研究所EPRIは、全米の変電所に隣接する小規模データセンター約25拠点を建設する実証プロジェクトを発表しました。各拠点は5〜20MW規模で、電力需給に応じて推論ワークロードを別の拠点へ動的に移動させる「分散推論」方式を採用します。米国には約5万5000の変電所があり、それぞれの余剰電力を束ねれば大規模な計算資源を確保できるという発想です。
一方、ギガスケールのAI訓練施設では別の電力課題が浮上しています。数千基のGPUが同期して計算する際に発生する高周波パルス負荷が、電圧低下や周波数不安定を引き起こし、送電網全体に波及するリスクがあります。従来のディーゼル発電機やガスタービンでは、ミリ秒単位の電力スパイクに対応できません。
この課題に対し、電池メーカーAmpaceはEatonと連携して半固体電池を用いたUPS統合ソリューションを提案しています。超低内部抵抗の半固体セルが「衝撃吸収材」として機能し、電力変動を発生源で中和します。これにより、従来必要だった過剰な変圧器や発電機の設備投資を削減でき、総所有コストの最適化が見込めます。
背景には、米国の送電網が平均53%の稼働率にとどまるという構造的な余力があります。ピーク需要はごく短時間に集中するため、データセンターが年間わずか0.25%の時間だけ消費を抑制すれば、76GWの追加容量を確保できるとの試算もあります。小規模分散と蓄電池による安定化という2つのアプローチが、AIインフラの電力問題を解く鍵として注目されています。