防衛AIスタートアップ2社が計1.8億ドル調達、軍用ドローン開発加速
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米防衛テックスタートアップのScout AIとFirestorm Labsが2026年4月29日、それぞれ1億ドルと8200万ドルの大型資金調達を発表しました。Scout AIはAlign VenturesとDraper Associates主導のシリーズAで、Firestorm LabsはWashington Harbour Partners主導のシリーズBで、いずれも軍用ドローン・自律兵器分野での事業拡大を目指しています。両社合計で約1億8200万ドルの調達は、米国防衛AI市場への投資家の強い関心を示しています。
Scout AIはColby Adcock氏らが2024年に設立した「防衛向けフロンティアラボ」を標榜する企業です。同社は大規模言語モデルを基盤とした軍事AIモデル「Fury」を開発し、まず兵站支援、次いで自律兵器への応用を計画しています。特に注目されるのは、Google DeepMind発のVision Language Action(VLA)モデル技術の軍事転用で、カリフォルニア州の米軍基地で自律走行ATVの実地訓練を進めています。DARPAや陸軍アプリケーション研究所との開発契約も獲得済みです。
一方のFirestorm Labsは、サンディエゴ拠点の防衛スタートアップで、累計調達額は1億5300万ドルに達しました。同社の主力製品「xCell」は、輸送コンテナに収まる移動式ドローン製造プラットフォームです。HP製産業用3Dプリンターを内蔵し、24時間以内にドローンの機体を製造できます。偵察や電子戦など任務に応じた構成が可能で、致死性のある運用にも対応しています。
両社の事業は、米国防総省が「争奪兵站」を6つの国家重要技術分野の一つに指定した流れと合致しています。Firestorm Labsは既にインド太平洋地域でxCellを運用中で、2年以内の本格配備を目指しています。Scout AIも2027年の米陸軍第1騎兵師団の海外展開に向け、技術実証を進めています。ウクライナでの戦訓を踏まえ、ドローン設計の高速反復と前線での製造能力が重視される時代に、両社は異なるアプローチで米軍の変革を支えています。