Inkitt、独自AI基盤で動画制作を製品化

動画制作の仕組み

複数モデルの統合運用
専門家の知見を日次反映
失敗対処法の組織知化

事業化の条件

高頻度の社内課題が起点
基盤と生成モデルの分離

価格と検証課題

完成1分75〜500ドル
性能比較の指標は未開示
詳細を読む

デジタル出版・AIメディア企業のInkittは2026年9月24日、文章の脚本から数分でAI映画を生成する「Inkitt Movie Creator」の公開ベータ版を自社サイトで始めました。中核は、画像・動画・言語モデルを連携させ、撮影技法や人物・場所の一貫性を管理する社内開発のCinematicaで、企業が独自AI基盤を築く際の実例となります。

Cinematicaは、多数の保有作品を長編映像にする反復的で高コストな社内業務を解くため、2026年初めに開発が始まり、現在は第3版です。約25人のチームには約15人の動画プロデューサーがおり、日々見つけた制作手法を会議で共有して基盤へ反映しています。

肌の不自然な質感や複数人物の位置・顔の入れ替わりなど、生成AIが繰り返す失敗に対する専門家の修正法を再利用できる知識として蓄積します。社内の経験だけでなく外部コミュニティーの技法も評価・標準化し、暗黙知を組織の資産へ変える設計です。

Cinematicaは特定の生成モデルに固定せず、品質や費用に応じてSeedanceやMiniMaxなどを選べるため、業務手順を維持したままモデルを交換できます。完成済み動画の生成・AI制作費は1分75〜500ドルの見積もりですが、公開時点ではAPIがなく、MCP連携も今後の予定です。

一方、直接モデルを使う場合との比較ベンチマークや、一貫性、再生成率、制作時間の改善幅は未開示です。企業にとっての示唆は、反復業務を起点に現場の専門家を改善ループへ入れ、モデルではなくワークフローと蓄積知を自社で保有しつつ、効果と追加費用を数値で検証することです。