Google、AI洪水予測150カ国20億人が対象

予測の仕組み

河川洪水を7日前に予測
都市型洪水は24時間前に警告
2つのAIモデルで降水・地形解析

Groundsourceとは

Geminiが500万件のニュース分析
260万件の洪水データを構築
都市型洪水予測へ反映

現場の成果と今後

ナイジェリアで事前送金を実施
熱波や土砂災害へ応用検討
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Google Researchのシニア研究員デボラ・コーエン氏は、AIを使った洪水予測の取り組みについて説明しました。同社は2018年にインドで河川洪水予測を試験導入して以来、予測技術を拡張し、現在は世界150カ国20億人以上をカバーする体制を整えています。2026年3月には新手法「Groundsource」も発表し、都市型の鉄砲水にも対応範囲を広げました。

Flood Hubと呼ばれるツールでは、降水量や河川水位、地表の状態など膨大なデータを解析し、河川の氾濫を最大7日前、都市部の鉄砲水を最大24時間前に予測します。水量を計算する「Hydrologic Model」と、浸水範囲を割り出す「Inundation Model」の2つのAIモデルを組み合わせているのが特徴です。予測結果はGoogle検索にも表示されるほか、企業や団体向けにFloods APIとしても提供されています。

従来、都市部の鉄砲水は観測データが乏しく、予測モデルの構築が難しい課題でした。そこでGoogleGeminiを活用し、過去20年分・約500万件のニュース報道を読み込ませることで、150カ国以上にわたる260万件の洪水事例を集めた独自データセットを構築しました。このデータをもとに、新たな都市型鉄砲水予測モデルをFlood Hubに組み込んでいます。

研究成果は現場でも活用されています。支援団体のGiveDirectlyは、ナイジェリア・コギ州でFlood Forecasting APIを用い、洪水が起きる前に住民へ現金を届けました。その結果、対象世帯の所得は倍増し、食料不安は90%減少、93%の住民が「次の洪水への備えが向上した」と回答しています。

Googleは今後、データが乏しい農村部の鉄砲水や沿岸洪水への対応拡大を目指すとしています。あわせて、Groundsourceの手法を熱波や土砂災害など他の自然災害の予測にも応用できないか研究を進める方針です。水文学フレームワークはすでにオープンソース化されており、各国の気象水文機関が独自データを組み合わせて予測を作成できるようになっています。