SpaceXAIがGrok 4.6公開、知能指数4位でエージェント特化
詳細を読む
SpaceXAI(旧xAI)は8月12日、最新のフロンティアモデルGrok 4.6を公開しました。長時間稼働のエージェントとコーディング、ナレッジワークに照準を合わせ、第三者指標のArtificial Analysis知能指数では61点で世界4位に入っています。中国MoonshotのKimi K3を上回り、OpenAIのGPT-5.6 Sol Maxと並ぶ水準です。
最も大きな変化は、指数の点数ではなくエージェントとしての振る舞いにあります。同社は前世代より長い追加学習を行い、推論レベルや開発ハーネスをまたぐ教師ありデータを再生成したうえで、コーディングやナレッジワーク、カーネル最適化、Web開発、CADといった環境で強化学習を実施したと説明しています。社内テストでは長い作業経路での自己検証が増え、次の手順に進む前に自らの出力を点検する挙動が確認されたとしています。
もっとも、フロンティアを制覇したわけではありません。コーディングではCursorBench v3.2が69.9%、DeepSWE v1.1が65.9%へ伸びた一方、前者はFable 5 Maxの70.5%、後者はGPT-5.6 Sol Maxの73%に届いていません。ターミナル操作を測るTerminal-Bench v3.0も15.7%から26%へ改善しましたが、競合2モデルの34%台とは差が残ります。
強みは長時間の専門業務です。実務課題を扱うAA-BriefcaseではElo1,577とFable 5 Maxをわずかに上回り、法務系のHarvey LABでは15.8%と競合を大きく引き離しました。ただしSpaceXAIは、比較表の他社スコアが自己申告や公開値の最良値である点を認めており、条件を統一した評価ではないことに注意が必要です。
企業にとってより重い論点は価格です。APIは入力100万トークンあたり2ドル、出力6ドルから始まり、Artificial Analysisは主要フロンティアモデルより60%以上安いとしています。ただしプロンプトが20万トークンを超えると入力4ドル・出力12ドルへ上がり、その単価がリクエスト全体に適用されるため、50万トークンの文脈長を前提にした試算はできません。
効率面ではAA-Briefcaseの作業を平均53ターン・入力5億トークンで完了し、Claude Opus 5 Maxの約103ターン・20億トークンを下回りました。一方でタスク単価は0.84ドルと前世代より割高で、評価軸がトークン単価から業務完了コストへ移りつつあることを示しています。加えてGrokは過去の差別的出力や同意なき性的画像の生成をめぐり英Ofcom、情報コミッショナー事務局、欧州委員会の調査が続いており、規制業種の調達では性能や価格とは別の判断材料になり得ます。