LTXが動画モデルの重みを公開、10秒映像を6.8秒生成

LTX-2.5の刷新点

ComfyUIに初日から統合
一括生成のマルチショット対応

速度と価格の実態

GB200 2基で6.8秒計測
自社API経由は23.7秒
公開価格比較で8分の1は不成立

ライセンスの制約

年商1000万ドル未満は無料
OSI定義のオープンソース外
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イスラエルのLightricksから独立した動画AI企業LTXは8月11日、動画・世界モデルの最新版LTX-2.5を重み公開しました。ノードベースの制作ツールComfyUIへ初日から統合されたほか、Hugging FaceとLTX APIでも同時に提供されます。年商1000万ドル未満の組織は無料で使え、それを超える企業は個別のライセンス交渉が必要です。

技術面では生成パイプラインをほぼ全段で作り直しました。動きの速い映像の破綻を減らす拡散デコーダ、カットをまたいで人物や声を保つマルチショット生成、Gemma 4を基にした独自の言語バックボーンを搭載しています。ロボットなど物理AI向けの事前学習チェックポイントも用意され、映像制作以外の用途を最初から想定した設計です。

最も目を引くのは速度です。同社の計測では10秒・720pの映像を6.8秒で生成し、Gemini Omni Flashの52秒やKling 3.0 Proの398秒を大きく下回りました。ただしこの数値はNVIDIAの最上位チップGB200を2基使った自社運用環境のもので、同社の管理API経由では同じ処理に23.7秒かかっています。

一方、同社が掲げる「コスト8分の1」という主張は、公開価格と突き合わせると裏付けが取れません。LTX-2.5の高速ティアは720p・音声付きで1秒0.09ドル、10秒で0.9ドルですが、これはVeo 3.1の4ドルの約4分の1にとどまり、Veo 3.1 Liteの0.5ドルの方が安いのが実情です。品質で示された67%の勝率も同社が委託した評価であり、中立のArtificial Analysisの順位表ではLTX-2.5はまだ計測すらされていません。

オープンウェイト」と「オープンソース」は、約款の上では別物です。LTX-2.xコミュニティライセンスは収益規模と用途で制限をかけるためOSIの定義には当たらず、微調整版や蒸留版に加え、LTX-2.5の出力で学習した無関係なモデルまで派生物として同じ条件に縛られます。軍事・兵器開発の用途は全面禁止で、ロボット向けチェックポイントも防衛分野では別途交渉が要ります。

共同創業者のZeev Farbman氏は、この開放が慈善ではなく事業戦略だと明言しています。ComfyUIは有料顧客の入口であり、社内でモデルを試した企業がライセンス契約へ進む導線として機能しています。重みが手元にあれば検証段階の従量課金も社外へのデータ流出もなく、機密映像や自社IPを扱う企業にとっては選定の判断材料になりそうです。