ハリウッドでAI利用常態化、Netflixは300作品

広がる現場のAI

Netflix300作品で生成AI
脚本家のChatGPT利用容認

投資と反発

Netflixが5.87億ドルで買収
GoogleのA24出資に反発
制作者降板招くAI叩き

権利と雇用

Anthropic和解金15億ドル
Blanchettらの同意登録
組合外下請け脆弱性
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米メディアWIREDは8月4日、ハリウッドを長年取材してきたPuck創業パートナーのマット・ベローニ氏へのインタビューを公開しました。同氏は業界のAI利用はすでに常態化していると語り、Netflixが直近の決算説明会で300作品に生成AIを使っていると明かした事例を挙げています。表向きは反発が続く一方、実務では静かに浸透している構図が浮かびます。

ベローニ氏はAIを、業務効率化を担う企業向けの用途と、映像そのものを作る生成AIの二つに分けます。前者は誰もが使っている状態で、著名なショーランナーが脚本チームにChatGPTを使わないことを叱責したという逸話も紹介しました。全米脚本家組合も、クレジットされた脚本家がいて雇用が失われない限り、この使い方を容認しています。

資本の流入も加速しています。Netflixはベン・アフレック氏のAI企業を5億8700万ドルで買収し、Google DeepMindはA24に7500万ドルを出資、LionsgateもRunwayに出資しました。一方でアマゾンがAI制作スタジオの新作を発表した際には、参加した制作者が批判を浴びて降板しており、AI叩きの実害も生じています。

背景にあるのは製作費の重さです。ピクサーのオリジナル作品は2億ドルを下回る製作が難しく、組合が人件費の引き下げに応じない以上、削減の矛先は非組合の現場スタッフと技術に向かうとベローニ氏は指摘します。SAG-AFTRAは合成俳優にも人間と同等の費用を求めていますが、アニメ制作には組合の保護が及ばない職種が多く、そこが最も影響を受けやすいと見ています。

権利面はまだ流動的です。ディズニーとユニバーサルはMidjourneyを提訴し、ワーナーも加わりましたが、学習に使う行為そのものを侵害と認めた確定的な判断はなく、当面は出力が似ているかが争点になると同氏は説明します。著作権訴訟ではAnthropicの15億ドル和解が過去最大規模となり、肖像の扱いではケイト・ブランシェット氏らが立ち上げた同意登録の仕組みが注目されています。

テック資本の影響は表現の選択にも及びます。アマゾンMGMは4000万ドルを投じたサム・アルトマン氏を題材とする映画「Artificial」を、OpenAIとの500億ドル規模の提携後に手放し、配給はNeonが引き受けました。ベローニ氏はSNS上の評判操作も広がっているとして、作品の良否はMetacriticを基準にするのが現実的だと助言しています。