Bose、AIウェアラブル見据え技術外販
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米音響大手Boseのリラ・スナイダー最高経営責任者(CEO)は8月10日公開の米メディアThe Vergeのポッドキャスト「Decoder」で、自社で磨いた音響技術を他社へ外販する事業に本格的に乗り出したと語りました。背景にあるのは、AIとの対話が音声中心になるという読みです。創業60年の製品会社は、B2Bの技術供給会社へと姿を変えつつあります。
変化は大きく二つです。60年間Bose一本だった同社は、75年の歴史を持つ米McIntoshとイタリアのSonus faberを取得して複数ブランド体制となり、高級オーディオ市場に踏み込みました。もう一つが技術事業「Audio Tech」で、Motorolaのイヤホンや端末、XrealのXRグラス、Senaのバイク用ヘルメット通信機、Epsonのプロジェクターなどに同社技術が入っています。
商売の建て付けはどうなっているのでしょうか。技術にはライセンス料がかかり、ブランド使用料はさらに別建てだとスナイダー氏は説明します。「技術抜きでロゴだけを渡すことはない」と述べ、ブランドを載せるかどうかは相手ごとに慎重に判断するとしました。
AIウェアラブルについて、同氏は「ウェアラブルはAIの未来に不可欠」と明言しました。ただし勝ち残る形状は一つではなく、グラス、クリップ型のオープンイヤー、腕時計、ピン、リングなど複数の形が併存するとの見方です。大規模言語モデル(LLM)は大手エコシステムに収れんする一方、各社が市場を独占できない以上第三者機器との接続は必要になると述べました。
技術面の焦点は、電力も演算資源も限られる「インテリジェント・エッジ」です。同社はこれをtiny AIと呼び、複雑なアルゴリズムを削り込んで小さな機器に載せる力を強みと位置づけます。その成果の一つとして、中国のOrcaと組みノイズキャンセリングを備えた世界初の補聴器を今年投入しました。
一方で課題も率直に語られました。米国の市販(OTC)補聴器は約1000ドルと高く、消費者が想定する200〜400ドルとの開きや保険適用外という壁があり、市場は伸び悩んでいるとして、提携先だったLexieとの関係も解消しています。Bluetoothの制約もプラットフォーム各社の囲い込みで残ったままで、同氏は「言い訳にはしない」と述べるにとどめました。