Rippling、社員別のAI支出と成果を測る新ツール

急増した自社の支出

R&D;人件費の4割がトークン代
月次80%増の支出ペース
社員1人で月5万ドル利用

ゲートウェイで最適化

自社製AIゲートウェイ構築
費用は4月比37%に低減
人件費比15%まで圧縮

利用は成果測定が前提

AIキャプテンによる社内支援
生産性計測が全社開放の条件
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人事管理ソフトを手がけるRipplingは8月上旬、社員やチームごとのAI利用額と生産性を突き合わせる新製品「AI Spend Console」を発表しました。年初にAI活用を全面解禁したところ、開発部門の人件費予算の4割をトークン費用が食いつぶす計算になり、社内の緊急対応として作り込んだ仕組みをそのまま外部向けに商品化した形です。

きっかけは3月の経営会議でした。Adam Swiecicki最高財務責任者(CFO)が示した試算では、AIトークンへの支出は前月比80%増のペースで伸び、この傾向が続けば翌年には開発部門の人件費の9割に相当する額に達する見通しでした。「信じられなかった」と、Matt MacInnis最高製品責任者(CPO)は当時を振り返ります。

社内分析で浮かび上がったのは、支出の極端な偏りです。全社員の10〜15%が総支出の約6割を占め、月に5万ドルを使うエンジニアも1人いました。理由は単純で、社員がどんな作業にも最新かつ最も高価なフロンティアモデルを既定で選んでいたためです。

同社はCursorOpenAIAnthropicと利用上限額を交渉したうえで、用途に応じて最適なモデルへ振り分ける自社製のAIゲートウェイを構築しました。Parker Conrad最高経営責任者(CEO)は自社ベンチマークで総合首位はGrokだったとしつつ、GLM 5.2は85%安く性能はほぼ同等だったと明かしています。その結果、7月の消費量は6000億トークンとピーク時に近い水準へ戻りながら、費用は4月の37%にとどまり、人件費予算に対する比率も15%程度まで縮みました。

技術だけでは足りないとして、うまく使いこなす社員を「AIキャプテン」に任命し、他部門の活用を支える役割も設けました。ただし利用の中心はいまだソフトウェアエンジニアで、顧客オンボーディング業務などへの展開は道半ばです。MacInnis氏は「トークン消費を生産性に結び付けられなければ、全社員への開放は成り立たない」と語ります。

AI Spend ConsoleはRipplingの人事向けサブスクリプションに含まれ、利用量に応じた追加課金が発生します。他社の人事システムと組み合わせる単体購入も可能で、AI利用を成果で測る運用が企業の標準になるかどうかが次の焦点になりそうです。