AIエージェントの信頼の溝を埋める新興5社
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企業向けAIエージェントは業務をこなせても、相互に連携し、権限を委ねられ、事後に監査される仕組みはまだ整っていません。米メディアVentureBeatは2026年7月、イベント「VB Transform 2026」に登壇した新興5社が、この信頼の溝を埋めようとしていると報じました。各社はオーケストレーション、可観測性、接続性、セキュリティという4領域で、エージェント実運用の土台づくりに挑んでいます。
オーケストレーションを担うBANDは、多数のエージェントが背後で連携するための調整基盤を構築しています。共同創業者でCTOのVlad Luzin氏は、SlackやDiscordは人間向けで、エージェントは手動登録が必要な上に互いを認識できず「デジタルの独房」に置かれていると指摘します。BANDはA2AやMCPプロトコルに対応し、8〜20時間に及ぶ自律ワークフローを支え、人間も会話に加われる点が特徴です。
セキュリティ領域のConifersは、攻撃側が機械速度で動く一方、防御側が人間の速度にとどまる課題に挑みます。CEOのTom Findling氏によると、検知や調査といった防御機能をエージェント化し、封じ込め時間を7時間から12分へ短縮したといいます。可観測性を手がけるRaindrop AIは、本番環境で動くエージェントの重大な問題を発見し、過去のユーザー行動を基に修正を事前検証する監査ログ基盤を提供します。
接続と認可を扱うArcade.devは、エージェントが実ユーザーの権限で行動するための新しいセキュリティ基盤を提供します。共同創業者でCTOのSam Partee氏によると、同社の安全なランタイムは認証・認可の層を設け、最小権限で全操作を追跡できるため、企業のセキュリティ審査を通過できます。ロールベースアクセス制御など既存の統制をそのまま活かせる点も強みです。
顧客体験を手がけるOmiliaは、制御性の高いヒューリスティック型と、高速だが予測しにくいエージェント型の長所を両立させました。CPOのClaudio Rodrigues氏によると、年間30億件超の通話を処理し、解決時間を30〜45%改善、人間の担当者と比べて21倍のアップセル収益を生むといいます。ただし成熟した運用でも自動化は8〜9割にとどまり、人間の関与は依然として不可欠だと同氏は強調しました。