AIチップの新興Etched、評価額1.5兆円に倍増
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AIチップを開発する新興企業Etchedは2026年、シリーズCで3億ドル(約450億円)を調達し、企業評価額が103億ドル(約1.5兆円)に達したと明らかにしました。調達はセコイアが主導し、アンドリーセン・ホロウィッツやSKハイニックスなども出資しています。2025年12月時点の50億ドルから約7カ月で評価額を倍増させ、セコイア主導のシリーズCとしては過去最高になったとしています。
Etchedの強みは、推論処理を高速化する独自設計にあります。プロンプトを解釈する「プレフィル」段階では、他社チップより低い電圧で動く専用チップを開発し、発熱を抑えてトランジスタを高密度に集積しました。回答を生成する「デコード」段階では、多数のチップが共有メモリを低遅延で使える「クラスタ規模メモリ」と呼ぶ技術を採用し、高速と低コストの両立を狙います。
同社の製品はチップ単体ではなく、システム一式として販売されます。特定のLLM専用だという誤解が根強いものの、実際にはDeepSeekやQwenといった混合エキスパート型や、非トランスフォーマー型のMambaまで、幅広いAIモデルを動かせると説明しています。
創業当初、トランスフォーマーに特化したチップという発想は無謀とみなされ、最高経営責任者のギャビン・ウーベルティ氏ら3人は多くの懐疑論に直面してきました。しかし先月にはTSMCによる量産チップの製造に成功し、受注はすでに10億ドルに達したと発表しています。アンドレイ・カルパシー氏やジェフリー・ヒントン氏ら著名な研究者が実機を試したことが、今回の資金調達につながったといいます。
人員は400人規模に拡大し、本社の2メガワットのデータセンターに加え、近郊のミルピタスに10メガワットの新拠点を開設しました。ラック型システムの量産と出荷にはなお時間を要しますが、同社は世界有数のAI企業と連携しながら実運用を進めているとしています。