SambaNova、評価額110億ドルで10億ドル調達

大型資金調達

General Atlantic主導のシリーズF
評価額110億ドル
5カ月前のシリーズEに続く増資

JPMorgan採用

JPMorgan推論基盤に選定
SN40L・SN50でオンプレ推論
銀行業界への転換シグナル

事業戦略

調達資金で供給網強化
SN50は2026年後半出荷、SoftBankが初導入
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米AIチップ企業SambaNovaは7月8日、General Atlantic主導のシリーズF資金調達の初回クローズで10億ドルを調達したと発表しました。企業価値評価額110億ドルに達し、今後数週間で追加投資家が加わる第2クローズも見込まれています。2017年設立の同社にとって、2026年2月のシリーズE(3億5000万ドル)からわずか5カ月での大型調達となります。

同時に明らかになったのが、金融大手JPMorgan Chaseが同社を「推論インフラのパートナー」に選定したことです。SN40LとSN50システムを用い、行内で安全なオンプレミス型のAI推論を稼働させます。ロドリゴ・リアン最高経営責任者(CEO)は「銀行業界に対し、クラウドサービスに完全依存しない時代が来たというメッセージだ」と述べました。

リアン氏はこの受注を市場全体へのシグナルと位置づけます。JPMorgan級の銀行が最も機密性の高いモデルの推論を自前の安全な基盤で動かし始めており、その流れは銀行業界を超えて広がるとみています。企業や政府の多くは「AI活用に踏み出したばかり」で、大きな収益機会がなお残されていると指摘しました。

出資元でもあるIntelとの関係も深まっています。5カ月前には、IntelのXeonチップを基盤としたAI推論開発を支える複数年契約を締結し、両社は製品を共同開発・共同販売する体制へ移行しました。かつて約16億ドルでのIntelによる買収交渉も報じられましたが、リアン氏は独立維持について明言を避け、「いずれ株式を公開する」方向に傾く可能性を示唆しました。

技術面での強みは、最大級のモデルを高速に動かす「プレミアム推論」にあります。数兆パラメータに及ぶ最新の基盤モデルを単一ラックに収め、素早く処理する設計が特徴です。次世代チップSN50は2026年後半に出荷を始め、SoftBankが初の導入パートナーとなります。

調達資金は事業拡大と供給網の強化に充てる方針です。リアン氏は「桁外れの需要の波」に対応するため供給網を確保すると説明し、今後12カ月の受注をこなすうえで不可欠だと強調しました。顧客にはJPMorganのほか、サウジアラムコや日本企業も名を連ねています。