AI軍拡競争は破局を招くと元DeepMind幹部が警告

軍拡競争フレームの罠

「戦争の比喩」がAI政策を規定
国際協調を閉ざす危険性
トランプ政権の国家主義的姿勢

中堅国連合の構想

カナダ・日本英国らの連合提唱
主権と協調の両立を主張
大手ラボの権力集中を批判
協調なき未来は「属国化」
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グーグル傘下のDeepMindで公共政策責任者を務めたベリティ・ハーディング氏が、米ワイアード誌のインタビューで、AIを「軍拡競争」と捉える枠組みそのものが危険だと警告しました。同氏は2016年から2020年にかけてオバマ元大統領やマクロン仏大統領らにAIの助言を行った人物で、新たなエッセイ集『Reframing the AI Arms Race』を編みました。戦争の比喩が政策の方向性を狭めると訴えています。

ハーディング氏によれば、かつてAI研究は国際協調に根ざしていましたが、次第にアンソロピックとオープンAIのようなラボ間、そして米中という超大国間の対立に塗り替えられました。AIを致死兵器のように語ることは、技術の安全性を担保するために必要な国際協力の扉を閉ざしかねないと指摘します。

特に技術を輸入する小国にとって、軍拡競争という前提を受け入れることは、いずれかの超大国の側につくことを意味し、自国の利益に反する恐れがあると警鐘を鳴らします。同氏はトランプ政権の国家主義的なAI言説や、自国製モデルへの輸出規制の動きを、最悪のシナリオが具体化しつつある兆候と見ています。

打開策として同氏が提唱するのが中堅国連合です。カナダ、フランス、日本韓国インド英国などが連携すれば、規模と交渉力を確保できると説きます。競争は健全でも、協調や協力と両立できるというのが同氏の立場です。

一方でハーディング氏は、大手ラボが「これほど強力な技術の答えを持つのは自分たちだけだ」と語ることで権力を集中させていると批判します。このまま進めば、政府による過度な統制と、超大国に従属する国家の増加という未来が待つと警告しました。協調の筋肉は使い続けなければ衰えてしまう、と締めくくっています。