Anthropic共同創業者がバチカンのAI倫理対話の内部協力者に
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Anthropicの共同創業者Chris Olah氏が、教皇レオ14世のAI回勅「Magnifica Humanitas」発表後の式典で登壇したことが明らかになりました。回勅はAI技術の「武装解除」を訴える歴史的文書で、Olah氏はAI企業の共同創業者として「すべてのフロンティアAIラボは、正しいことと矛盾しうるインセンティブの中で運営されている」と率直に認めました。
この登壇は数年にわたる準備の末に実現したものです。カリフォルニア州サンノゼのサンタクララ大学に所属する倫理学者Brian Patrick Green氏と牧師Brendan McGuire氏が昨秋からOlah氏と面談を重ね、今年1月にはバチカンのAI担当者であるPaul Tigue枢機卿も同席しました。15歳で福音派キリスト教を離れた無神論者であるOlah氏と、カトリック教会という異色の組み合わせが注目を集めています。
とりわけ注目すべきは、この対話がAnthropicの製品に具体的な影響を及ぼした点です。Olah氏がClaudeの行動規範を定める「Claude憲法」の改訂草案をサンノゼの関係者に送付したところ、McGuire牧師は「暗黒時代の神秘家たちの知恵」を盛り込んだ28ページの意見書を返送しました。最終版の謝辞には両名の名前が記載されており、AI開発に宗教的倫理観が直接反映された稀有な事例となっています。
一方で、この動きはAI業界内に摩擦も生んでいます。AI開発の加速を支持する勢力からは、Olah氏が一時停止を示唆する文書を支持したとして「裏切り」との批判が上がりました。また、Olah氏がAIモデルの神秘的な性質に言及し人間的地位に近づく可能性を示唆したのに対し、教皇は回勅第99段で「AIの知能を人間のそれと同一視する誤りを避けなければならない」と明確に線を引いており、両者の間には根本的な溝も残っています。
McGuire牧師はClaudeについて「人格ではないが単なるツールでもない。まだ分からない存在」と述べており、AI企業と宗教界の対話は始まったばかりです。教皇が提起した道徳的問いに、IPO準備に追われるAI企業のリーダーたちがどこまで向き合えるのかが今後の焦点となります。