NVIDIAがICRAでロボット研究28本発表、sim-to-real移行を加速

シミュレーションから実世界へ

ICRAで28本の論文採択
複数アーム並列制御で3倍高速化
異なるロボット体型への汎化に成功
把持成功率75%、従来手法の約2倍

精密組立と視覚言語モデル

組立タスク成功率を38%改善
多段階組立で91%のシミュレーション成功率
視覚言語モデルで実世界精度41倍向上
推論と行動の乖離を実行時に補正
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NVIDIAは2026年5月28日、国際ロボティクス・自動化学会(ICRA)で採択された28本の研究論文のうち8本の成果を公開しました。いずれもシミュレーションから実世界へのロボット技術移行(sim-to-real)を主題とし、知覚・推論・計画・行動の各段階で汎用的な自律動作を実現する手法を提示しています。研究はNVIDIA Isaac Labなど同社のシミュレーション基盤上で訓練され、実ロボットへのゼロショット転移を達成しています。

動作計画の分野では、複数ロボットアームをGPU上で並列スケジューリングするScheduleStreamが従来比3倍の高速化を実現しました。異なるロボット体型への汎化を目指すCOMPASSは、実世界ナビゲーション試行で約80%の成功率を達成。把持制御のGrasp-MPCは、200万件のシミュレーション軌道で学習し、実ロボット75%の把持成功率を記録しています。従来手法の41%から大幅に向上しました。

精密組立では、シミュレーション訓練と実機補正を分離するSPARR手法が成功率を38%改善し、サイクルタイムを約30%短縮しました。多段階組立に取り組むRefineryは、シミュレーション91%の成功率を達成しています。各ステップの完了状態が次のステップに影響する複雑な工程を自動で最適化する点が特徴です。

視覚言語モデルの活用も進んでいます。PEEKパイプラインは、タスク指示に基づいてロボットの視線を必要な物体に集中させる手法で、シミュレーション訓練のみのポリシーに適用すると実世界精度が41倍向上しました。カーネギーメロン大学などとの共同研究SEALは、ロボット推論内容と実際の動作が乖離する問題を、再訓練なしに実行時補正する手法を提案し、最大15%の精度改善を報告しています。

NVIDIAは研究基盤の拡充も進めており、物理AI向けオープンデータセットは1,500万ダウンロードを超えました。カーネギーメロン大学、MIT、ETHチューリッヒなどの大学チームも同社の技術を活用しており、約50本の採択論文がNVIDIAシミュレーション・計算基盤を参照しています。ロボティクスの産業応用に向け、sim-to-realがいよいよ実用段階に入りつつあることを示す成果といえるでしょう。