Meta社内が反乱状態、AI訓練用の従業員監視に抗議拡大
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Metaが全米の従業員のノートPCにキーストロークやマウス操作を記録する監視ソフト「Model Capability Initiative(MCI)」の導入を開始し、社内で大規模な抗議運動が起きています。このツールはAIエージェントの訓練データ収集を目的としており、オプトアウトは不可能です。あるエンジニアが投稿した抗議文は約2万人の同僚に閲覧され、複数のオフィスではビラが掲示されるなど、組織的な反発が広がっています。
社内では請願書が回覧されており、「従業員のデータをAI訓練のために非合意で搾取することを企業に許すべきではない」と訴えています。英国のオフィスでは労働組合結成に向けた署名活動も始まりました。監視ツールが米国外に展開されていないのは、他国のプライバシー規制が厳しいためだと複数の社員が語っています。
監視問題に加え、5月20日に予定される約8,000人(全体の10%)のレイオフが士気をさらに低下させています。過去4年間で計約2万5,000人が削減されてきた上、株式報酬は2年連続で引き下げられ、従業員の年間報酬中央値は2024年の41万7,400ドルから38万8,200ドルに下落しました。一方でザッカーバーグCEOはトップAI研究者に年間1億ドル規模の報酬を提示しており、社内の格差が浮き彫りになっています。
さらに1,000人以上のシニアエンジニアが新設のApplied AI Engineering部門への強制異動を命じられ、拒否すればレイオフの対象になると通告されました。社内で反対意見を表明した社員に対し、ボズワースCTOが「見下すような態度で叱責した」と複数の社員が証言しています。ザッカーバーグ氏が社内で「外部の請負業者より社員の方が賢いから監視する」と示唆したとされる発言も、怒りに拍車をかけました。
こうした混乱は、Metaが四半期純利益約270億ドルという過去最高水準の業績を記録し、今年のAIインフラ投資を最大1,450億ドルに引き上げた直後に起きています。ビジネスとしては絶好調でありながら、現場の士気は「歴史的な低水準」にあるという矛盾が、AIシフトの人的コストを象徴しています。採用活動にも影響が出ているとの指摘があり、テック業界全体がAI時代の労使関係を問い直す局面に入っています。