GM・日産がAIで車両開発期間を大幅短縮

デザイン工程のAI革新

GMがAIで3Dモデル作成を数カ月→数時間に
手描きスケッチからAIが即座に映像化
Vizcom活用で社内コンセプト検討を加速

空力シミュレーションの高速化

Neural ConceptがCFD解析を4時間→1分に
GMもAI仮想風洞を開発中
設計と空力評価の反復サイクルが短縮

開発体制への影響と懸念

日産は30カ月での新車開発を目標に
企業は人員削減でなく生産性向上と主張
デザイン教育者は雇用縮小を警告
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GM日産など大手自動車メーカーが、貿易摩擦や需要変動が激しい環境下で、AIを活用した車両開発期間の短縮に本格的に取り組んでいます。従来60カ月かかっていた新車の設計・開発プロセスに対し、AIによる自動化と高速化が複数の工程で導入されつつあります。

GMのデザイン部門では、手描きスケッチをVizcomというAIツールに入力し、数時間で完全な3Dモデルやアニメーションを生成しています。従来は複数チームが数カ月かけていた作業です。現時点ではこれらは社内のコンセプト検討用途に限られ、最終的なデザイン判断は人間のデザイナーが行うとGMは強調しています。

空力シミュレーションの分野でも大きな変化が起きています。スイスのNeural Concept社はニューラルネットワークを用いたCFD解析で、従来4時間かかっていた計算を1分に短縮しました。Jaguar Land RoverやウィリアムズF1チームが顧客であり、GMも独自のAI仮想風洞を開発中です。これにより設計者がリアルタイムで空力性能のフィードバックを得られるようになりました。

日産はソフトウェア開発のユニットテスト自動化などにAIを活用し、30カ月での新車開発を目標に掲げています。各社はAIによる生産性向上を強調し、人員削減には否定的な姿勢を示しています。

一方、イタリアの自動車デザイン教育者であるマッテオ・リカータ氏は、生産性の劇的な向上がスタジオの人員数に影響しないと考えるのは楽観的すぎると警告しています。トランプ政権の関税政策やEV戦略の転換も重なり、自動車業界は開発スピードの加速を迫られている状況です。