Isomorphic LabsのAI創薬が臨床試験へ
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Google DeepMindのスピンオフ企業Isomorphic Labsが、AI技術で設計した新薬候補の臨床試験を間もなく開始します。同社のMax Jaderberg社長が2026年4月16日、ロンドンで開催されたWIRED Healthカンファレンスで明らかにしました。ノーベル化学賞を受賞したAlphaFold技術を基盤とするAI創薬が、いよいよ人体での有効性検証の段階に入ります。
Isomorphic Labsは2021年にAlphabet傘下のDeepMindから独立した英国拠点のバイオテック企業です。タンパク質の立体構造を予測するAlphaFoldプラットフォームを創薬に応用しています。2024年にリリースされたAlphaFold 3はタンパク質だけでなくDNAやRNAとの相互作用も予測可能となり、創薬に不可欠な分子結合の理解を大きく前進させました。
2026年初頭には独自の創薬エンジン「IsoDDE」を発表しました。技術論文によると、同エンジンの精度はAlphaFold 3の2倍以上です。Jaderberg社長は、分子の作用機序を深く理解しているため、非常に高い効力を持つ分子を設計でき、低用量での投与と副作用の軽減が可能になると説明しています。
同社はEli LillyおよびNovartisとAI創薬の提携を結んでおり、がんや免疫領域で独自の医薬品パイプラインも進めています。2025年には最高医療責任者を任命し、臨床試験準備のため6億ドルの資金調達を完了しました。臨床開発チームの構築も進んでいます。
当初2025年末までに臨床試験を開始する計画でしたが、やや遅れています。それでも同社は「すべての疾患を解決する」という壮大なミッションを掲げ、AI技術による創薬の実用化に向けて着実に前進しています。AlphaFoldプラットフォームはすでに研究者に知られる約2億種のタンパク質構造を予測し、190カ国200万人以上に利用されています。