OpenAIとMSの新契約、独立検証でAGI競争激化

MSが握るAGIの主導権

AGI達成に第三者の検証が必須に
達成後もMSはIP利用権を保持
MSによる独自のAGI開発が可能に
OpenAIの競合他社との連携も

OpenAIの戦略と今後の焦点

悲願の営利企業への転換を達成
消費者向けハードに活路
「パーソナルAGI」構想を推進
AGI定義の曖昧さが依然として課題
@umiyuki_aiのXポスト: OpenAIが非営利企業から営利企業に転換しようとしたらマイクロソフトと揉め倒した話、和解したらしい。結果的にマイクロソフトは営利転換したOpenAI株の27%が持ち分に。そしてOpenAIが「AGIが完成しました!」って宣言するだけでマイクロソフトを遮断できてしまう意味不明な…
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AI開発をリードするOpenAIMicrosoftが、2025年10月28日に新たな提携契約を発表しました。この契約により、汎用人工知能(AGI)達成の認定に独立した専門家パネルの検証が義務付けられました。Microsoftは独自にAGIを追求する権利も獲得し、両社の関係は単なるパートナーシップから、協力と競争が共存する複雑なものへと変化します。AGI開発競争は、新たな局面を迎えました。

新契約の最大の変更点は、AGI達成の定義を巡る主導権の移行です。従来、AGI達成の宣言はOpenAIの判断に委ねられていました。しかし今後は、第三者で構成される専門家パネルの検証が必須となります。これにより、OpenAIが一方的に自社IPのコントロールを取り戻すことを防ぎ、Microsoftの牽制が効く構造となりました。

Microsoftは、今回の契約で大きなアドバンテージを得ました。AGIが実現した後も、2032年までOpenAIの技術IPを保持し続けられます。さらに、OpenAIのIPを利用して、自社でAGIを開発する権利も確保しました。これはMicrosoftが、パートナーでありながら最大の競争相手にもなり得ることを意味します。

AGI開発の「軍拡競争」は、さらに激化する見込みです。Microsoftはすでに、OpenAIのライバルであるAnthropicからもAI技術を購入するなど、パートナーの多様化を進めています。今回の契約は、Microsoft他社と連携してAGI開発を進める動きを加速させ、業界の勢力図を塗り替える可能性があります。

一方、OpenAIは営利企業への転換を無事完了させました。また、交渉の末、開発中である消費者向けAIデバイスのIPMicrosoftのアクセス対象外とすることに成功しました。同社は今後、元Appleデザイナー、ジョニー・アイブ氏と手がける「パーソナルAGI」で独自の収益源を確立する戦略を描いています。

しかし、AGIという言葉自体が「過度に意味が詰め込まれすぎている」とサム・アルトマンCEOが認めるように、その定義は依然として曖昧です。検証を行う専門家パネルがどのように選出されるかも不明であり、誰が「ゴール」を判定するのかという根本的な課題は残されたままです。今後の両社の動向が、AIの未来を左右します。