IEEE、AI生成論文2本の異常を検出
2段階の検証
無料AIで未実施研究を捏造
FARSが研究から論文化
2本とも掲載見送り
検出の手掛かり
架空・検証不能の引用
査読前論文への偏重
図中の無意味な文字列
出版側の課題
年6万件の投稿審査
招待数5割増の査読負担
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IEEE Spectrumは2026年10月27日、記者Benjamin Skuse氏が学術出版のAI生成物を見抜けるか確かめるため、光ソリトン研究を題材に2本の論文を作り、IEEE Accessの審査網にかけた実験を報じました。無料版ChatGPTとGeminiで未実施研究を捏造した論文も、自律研究システムFARSが研究から執筆まで担った論文も異常が見つかり、いずれも掲載されませんでした。
第1の論文は、無料版ChatGPTとGeminiへの約24回の指示で、本文、図、参考文献、IEEE形式まで整えたものです。専門家には見た目や文章がもっともらしく映りましたが、STM Integrity Hubは架空の引用12件を、別の検査は検証できない参考文献24件を検出しました。
第2の論文では、FARSが21分で研究計画を作り、翌日までに計算実験を終え、さらに2時間で投稿可能な原稿を生成しました。参考文献は実在したものの、査読前論文への依存が大きく、図には「lhewl」という無意味な文字列やAI生成らしい点が残りました。
ただし、検査突破を防げたことだけで安心はできません。IEEE Accessは年約6万件を受け付け、約20%を採択していますが、1本当たりの査読者への招待数は2018年以降で50%増え、無償の査読者にAI生成物の判別まで求めています。
記事が示したのは、AI利用の有無だけでなく、研究過程の信頼性と再現性を確認する仕組みの必要性です。出版社は引用検証などの自動化を進めつつ、人間は研究の意義や再現可能性を判断し、実験記録や試料IDなど出所を追える証拠で支える必要があります。