NVIDIA Kumo、追加学習なしで教師ありモデル超え

学習なしの予測

学習不要の単一推論
最大1万件を文脈利用

性能と拡張性

41課題で教師あり超え
SALTでMRR8%向上
5000億行超に対応

導入時の留意点

オープンソースで提供
大規模学習では逆転余地
詳細を読む

NVIDIAは2026年10月21日、企業の関係データベースを直接扱う事前学習済み基盤モデル「Kumo Relational」を発表しました。解約、需要、不正などの予測で、最大1万件の過去例を文脈として読み込み、表の平坦化や特徴量設計、タスク別学習をせずに1回の推論で結果を返し、データ分析の導入負担を減らします。人とAIエージェントの双方から利用できます。

Kumo Relationalは、主キーと外部キー、時刻情報を保ったまま複数テーブルを処理します。テーブル内の行・列への注意機構と、関係をたどるグラフ注意機構を組み合わせ、過去時点より後の情報を入力から除外してデータ漏えいを防ぎます。

未学習の15データベースにまたがる41課題では、教師ありの関係深層学習モデルや、専門家が特徴量を設計した勾配ブースティングを上回りました。SAP SALTではAutoGluonの大規模アンサンブルより平均逆順位が8%高く、微調整後の差は16%に広がったと報告しています。

実装はGPU向けのオープンソースライブラリ「structured-data-models」とNVIDIA NIMで提供され、独自グラフエンジンは5000億行超のデータベースに対応します。予測内容を宣言するPQLを使えるため、新しい予測案件ごとに専用パイプラインを組む負担の削減が見込めます。

一方、文脈として使う例は最大1万件で、非常に大きな学習データがある課題では専用の教師ありモデルが上回る場合があります。また、予測シグナルが限られた関係の経路内に届く必要があるため、導入時は関連性の高い少数のテーブルから始め、必要に応じて対象を広げる設計が必要です。