小児病院CHOP、NVIDIAのAIで心臓モデルを数秒生成
手術前の個別検証
共同開発の広がり
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フィラデルフィア小児病院(CHOP)は2026年9月15日時点で、NVIDIAが共同開発したオープンソース医用画像基盤MONAIを使い、小児の心臓モデルを数秒で生成しています。CT、MRI、3D超音波など既存画像から患者固有の解剖を再現し、先天性心疾患の手術や医療機器選択を事前に検討する仕組みです。従来は熟練研究者に約4時間かかっていました。
先天性心疾患は出生児の約1%に見られますが、心臓の形は一人ひとり異なります。一方、外科医が使う既製の医療機器は、その子ども固有の構造に合わせて設計されたものではありません。CHOPはカテーテル治療や手術の前にモデルを作り、適合する機器と処置方法を検討します。
研究チームはMONAI LabelとNVIDIAのAuto3DSegを使い、過去の画像と完成モデルの組み合わせから領域分割ネットワークを学習させました。10〜20組ほどの画像とモデルができると学習を始め、他の症例へ適用します。生成結果は訓練を受けた人と同じ品質基準を満たし、所要時間は数時間から数秒になりました。
臨床では、異なる人工弁を患者の心臓に配置した場合の適合や心臓壁への負荷を比較できます。複雑な心室中隔欠損では手術前のモデル作成が日常診療となり、従来法で場所を特定できず2度の修復に失敗した症例でも、3Dモデルを使った次の修復は一度で成功しました。CHOPは心臓モデリングが研究段階から標準的なケアへ移ったと説明しています。
次の焦点は、機器を留置した後の組織変化を処置前に予測することです。CHOPはNVIDIA Warp上の物理エンジンNewtonを使う機能を導入し始め、最長4時間、複数案では一晩かかったシミュレーションをほぼリアルタイムに近づけようとしています。まず小児の心臓の穴を塞ぐ閉鎖機器に適用し、将来は経カテーテル人工弁への展開も目指します。
心臓モデリングはアメリカの20超の小児病院に広がり、ボストン小児病院では年間約500件、心臓手術の半数超を支えています。CHOPは2026年に約200件を見込み、スタンフォード大学なども無料のSlicerHeartへ機能を提供しています。患者数が比較的少なく症例差も大きい領域で開発を継続するため、複数の小児病院が次世代基盤を共同構築する全国組織も形成中です。