AI推論チップのEtched、評価額210億ドルに倍増

評価額、1カ月で倍増

7億ドルを追加調達
評価額210億ドルに倍増
主導はJane Street

推論特化の新技術

プリフィル専用チップを新設計
デコード向けクラスタースケールメモリ
低電圧化で発熱抑え高速化

著名投資家が多数参加

Sequoiaなど著名VCが出資
汎用型に転換、全モデル対応
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AI推論向け半導体スタートアップEtchedは8月18日(火)、量的運用大手Jane Streetが主導する7億ドルの新規調達を発表し、評価額を210億ドルに引き上げました。同社のAI推論用ハードウエアを実際にテストしたJane Streetが導入を決めたことが、出資の決め手になったといいます。

Etchedの評価額は昨年12月時点で50億ドルでしたが、今年7月に3億ドルのシリーズCを調達した際は103億ドルまで上昇していました。今回の調達でわずか1カ月足らずのうちに評価額が倍増した形で、AI業界内でも異例の速さだと受け止められています。

共同創業者兼COOのロバート・ワッチェン氏によると、投資家の関心が高い背景には、AI推論を高速化する新たな2つの部品をゼロから設計した点があるといいます。推論は「プリフィル」と「デコード」の2段階で構成され、プリフィルはプロンプトの文脈理解に、デコードは実際の回答トークンの生成に対応します。

Etchedは低電圧で動作する専用のプリフィルチップを開発し、発熱を抑えながらより多くのトランジスタを搭載することで処理速度を高めました。デコード向けには複数のチップが共有メモリプールを低遅延で利用できる新方式クラスタースケールメモリを導入し、高速化と低コスト化を両立させたとしています。

Etchedは社名から「特定のモデル専用チップ」と誤解されがちですが、現在はあらゆるフロンティアモデルに対応できる汎用設計に転換しています。自社システムは「フロンティア推論クラスター」と呼び、競合のNvidiaが「AIファクトリー」と呼ぶ製品群に対抗する位置づけです。

Jane Streetは公式ブログで「チップをテストし、初期結果に満足している。最も要求水準の高い処理に必要な精度を提供してくれる」と評価し、自社データセンターに専用ラックを稼働させたことを明らかにしました。今回の調達にはKleiner PerkinsSequoia CapitalAndreessen Horowitz、著名投資家ピーター・ティール氏など、既存の有力投資家も名を連ねています。