Vercel、AI SDK保守を自動化しPR3割をAIが作成

工場の設計

タスク別の専用エージェント
分類・分析・実装・レビュー
Sandboxで隔離実行
人間が全PRを最終承認

4週間の実績

週次マージPRの25〜35%
7月の課題クローズ75%超
未解決課題1022→844件
v6系マージの過半
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Vercelは8月12日、オープンソースのAI SDKの保守作業を自動化する仕組み「ai-sdk-factory」を公開しました。GitHubに届く不具合報告や機能要望を、分類・分析・実装・レビューの各工程に特化したエージェントが自動処理し、稼働から約4週間でマージされるPRの25〜35%を担うまでになりました。ただしマージの判断は人間が握る設計を維持しています。

背景にあるのは、生成AIの普及で膨らんだ保守負荷です。AI SDKは週2000万回を超えてダウンロードされる一方、新規issueは月100件以上のペースで積み上がり、6月下旬には未解決issueが1022件、プルリクエストも約800件に達していました。同社は、これは担当者の規律の問題ではなく、コードの生成が安価になった以上は放置すれば増え続けるだけだと説明します。

設計で重視したのは、1つのエージェントに1つの仕事だけを与える分割です。バグ再現、修正、PRレビュー、バックポート、ドキュメント更新、機能分析、機能実装がそれぞれ独立し、個別に検証やデバッグができるようにしました。公開リポジトリではissueもコメントもリンクも攻撃者が操作しうるため、全エージェントVercel Sandbox内で隔離し、その作業に必要な最小限の認証情報だけを渡したうえで、外部への通信経路も遮断しています。

実際の処理の流れも公開されました。7月24日にコミュニティから寄せられたOpenAIのウェブ検索でドメインを除外したいという要望では、分析エージェントが機能の不在を再現する検証コードを書いて証拠として提示し、実装エージェントが仕様どおりのPRを作成、レビューエージェントが副作用や後方互換性のリスクを採点しています。最後は保守担当者がこの証拠の連鎖を確認してマージし、旧版であるv5とv6への移植も工場が自動で用意しました。

成果は数字にも表れています。7月に閉じられたissueの75%超は工場によるもので、未解決issueは6月下旬のピークから8月初旬には844件へ減り、これまで手間を理由に見送られていたバックポートもv6系マージの過半を占めるようになりました。同社は、失敗した実行をプロンプトや評価ケースの改善に還元し続ける運用こそが、これからのエンジニアの標準的な仕事になると位置づけています。