ChatGPTで設計した犬用がんワクチン、Y Combinator支援で事業化
Gamgeeの事業内容
公表された実績
科学的根拠の課題
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オーストラリアの起業家ポール・コニンガム氏が8月12日までに、犬向けの個別化mRNAがんワクチンを手がける新興企業Gamgeeを立ち上げました。同氏はChatGPTなどの生成AIと計算ゲノミクスを使い、愛犬ロージーの腫瘍に合わせたワクチンを設計したと主張しており、この体験を事業化した形です。米アクセラレーターのY Combinatorが支援し、オーストラリアで初の臨床試験の参加者を募っています。
Gamgeeは獣医師向けのページで、最初の記録症例で腫瘍が約75%縮小したと説明しています。必要な獣医師の作業は20分未満、新たな診療フローは不要で、ワクチンは約4週間で手元に届くとしています。ただし同社自身、この期間は1症例に基づくもので変動しうると注意書きを添えており、費用は公開していません。
一方で、物語の土台となった科学は本人の説明ほど明快ではありません。The Vergeが今年報じた通り、AIが実際に果たした役割は不明瞭で、研究者からは技術を過大評価し、関与した人間の働きを軽視しているとの指摘が出ていました。さらにロージーは別の治療も並行して受けており、mRNAワクチンが改善の要因だったとは断定できません。
それでも構想は支持を集めています。同社はクイーンズランド大学やニューサウスウェールズ大学の研究機関と連携していると述べ、資金提供者や共同研究先にも接触を呼びかけています。待機リストは各国に開かれ、コニンガム氏はXで「世界中から症例を受け付けている」と説明しました。
コニンガム氏はサイトに「自分は生物学者ではない」と明記する一方、Gamgeeの狙いは犬にとどまらず、AIと遺伝学を組み合わせて人間を含む複数の種と幅広い疾患へ個別化治療を広げることだとしています。生成AIが専門外の個人に創薬の入り口を開いたのは確かですが、1頭の犬の経過を根拠に医療事業を語れるのかという問いは残ります。AI由来の成果をどこまで検証してから事業の看板に掲げるかは、経営者にとっても他人事ではない論点です。