OpenAI出資のThrive、20億ドル調達 伝統企業をAI化

調達の概要

調達額20億ドル
企業価値120億ドル
SoftBankなど大手が出資

AI導入の成果

傘下企業70社超
税務申告7000件を処理
ヘルプデスク36倍高速化

新事業と業界動向

物理資産の規制対応に参入
AI実装支援が新たな主戦場
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企業を買収してAIを組み込むThrive Holdingsが8月12日、SoftBankなどから20億ドルを調達したと発表しました。企業価値は120億ドルと評価され、資金の一部は物理インフラの規制業務を担う新事業に充てられます。会計事務所やIT企業といった伝統的な事業を買い取り、現場の業務にAIを実装する手法が、投資家の評価につながった形です。

今回の調達にはSoftBankのほか、D1 Capital PartnersとAltimeter Capitalが参加しました。同社はOpenAIの主要投資家であるThrive Capitalから分社した企業で、2025年12月にはOpenAI自身が出資しています。その取り決めにはOpenAI社員を買収先企業に派遣する内容が含まれ、AI導入を現場で加速させる体制が整いました。

プラットフォーム上の企業は70社を超えました。会計部門のCurrentは50社超・2000人以上の専門家を抱え、自己改善型の税務エージェント「TaxAI」が7000件超の申告を98%の精度で処理し、参加事務所の申告準備時間を3割以上短縮したとしています。IT部門のShieldには約20社が参加し、ヘルプデスクの解決時間を36倍に速めたほか、独自AIエージェントの稼働数はこの1カ月で倍増しました。

今回の資金は、物理資産の規制対応を担う3つ目のプラットフォームの立ち上げにも使われます。創業メンバーのAnuj Mehndiratta氏は、データセンターや製造、医療電力、水道、交通などの分野で、地域・技術・規制の複雑さがプロジェクトの制約になっていると指摘します。AIが現場作業や専門家の最終判断を置き換えるわけではなく、調査や報告書作成、許認可申請、検査記録、法令順守の管理といった手作業を軽くする狙いです。

AIの実装支援そのものを事業にする動きは、業界全体に広がっています。OpenAIAnthropicはそれぞれ大手プライベートエクイティと組み、The Deployment CompanyとOde with Anthropicという10億ドル規模の合弁を立ち上げ、精鋭エンジニアが企業に常駐して業務にAIを組み込む体制を築いてきました。価値の重心がモデルから実装へ移る流れは、自社のAI活用を進める経営層にとって見逃せない変化と言えます。