NVIDIA、医療物理シミュレーション基盤を初のオープンソース化

オープンソース公開

解剖と器具の相互作用を再現
数百環境の並列シミュレーション
GPUで訓練を数分に短縮

技術構成

CUDA・Warp・Newton基盤
古典物理と生成AIの融合

採用企業

J&J;やMedtronicが採用
CMRが約500時間データ提供
詳細を読む

NVIDIAは2026年7月22日、医療ロボット開発向けの物理シミュレーション基盤「Medical Physics Simulation」をオープンソースで公開したと発表しました。GPUで高速化した同フレームワークは、医療ロボット開発基盤「Isaac for Healthcare」の新機能として、解剖構造と医療機器の相互作用や、収集が難しい稀な症例のデータを仮想環境で生成できます。実機を使った検証の前に、ロボットの制御方策を訓練・評価できる点が特徴です。

医療ロボットの開発では、多様な解剖構造や器具の挙動、ノイズの多い画像など、膨大で多様な学習データの確保が最大のボトルネックでした。同基盤は摩擦やセンサー入力までを再現し、ワークフローごとに専用のシーンを作り直す必要をなくします。再利用できるシミュレーション環境を用意することで、開発期間の短縮と市場投入の加速を狙います。

性能面では、CUDAを基盤にWarpやNewton、Cosmosといった技術を組み合わせ、数百の環境を並列実行できます。ベンチマークでは8,192環境を並列動作させ、訓練時間を5時間超から2分未満へ短縮したとしています。古典的な物理シミュレーションと、生成AIによる「Cosmos-H Dreams」を統合し、既知の物理法則と学習ベースの視覚再現の双方を扱えます。

すでに複数の医療ロボット企業が採用を進めています。Johnson & Johnson MedTechは泌尿器向けプラットフォームのデジタルツイン構築に、Medtronicはカテーテル操作のデータ生成に利用します。CMR Surgicalは手術支援ロボット「Versius」から約500時間分の匿名化データをオープンデータセットに提供しました。オープンソース化により、規制当局の審査に向けた透明性の確保や再現性の検証が進むと見込まれます。