MIT核科学研究所の新所長にAI活用の物理学者

新体制の概要

8月1日付でThaler教授が就任
10年務めたWyslouch氏の後任
理論素粒子物理学が専門

AI主導の研究へ

量子場理論と機械学習を融合
AI駆動の科学発見の新時代
DOEのGenesis Mission参画

IAIFIの後任

NSF・AI研究所の初代所長を歴任
後任はWilliams教授
詳細を読む

マサチューセッツ工科大学(MIT)は2026年7月7日、理論素粒子物理学者のJesse Thaler教授を核科学研究所(LNS)の新所長に任命したと発表しました。就任は8月1日付で、10年間所長を務めたBolek Wyslouch教授の後任となります。Thaler教授は量子場理論と機械学習を組み合わせ、基礎物理学の未解決問題に挑む研究で知られています。

理学部長のNergis Mavalvala氏は、Thaler教授が大型ハドロン衝突型加速器における粒子ジェット研究で先駆的な成果を上げ、AIと機械学習を素粒子物理学に融合する分野のリーダーだと評価しています。科学がAI駆動の発見という新時代に入るなか、その協調的な研究姿勢がLNSに貢献するとの期待を示しました。

Thaler教授は2020年から、全米科学財団(NSF)が支援するAI研究所IAIFIの初代所長を務めてきました。同研究所は先ごろ、さらに5年間の支援継続が決まったばかりです。IAIFI所長の後任には、物理学教授のMike Williams氏が就く予定です。

LNSは今後、エネルギー省(DOE)のGenesis Missionを通じた新規プロジェクトの推進も見込んでいます。同ミッションはAIを活用した科学的発見に重点を置いています。Thaler教授は、衝突実験の膨大なデータ処理や理論計算にAIアルゴリズムが不可欠になりつつあり、その技術は物理学の枠を超えて価値を持つと語ります。

1946年に設立されたLNSは、現在では宇宙論や重力、場の理論、量子情報科学まで研究領域を広げています。Thaler教授は、IAIFIで培った分野横断型の育成の枠組みをLNSにも持ち込みたいとしています。若手研究者に領域や大学、キャリア段階を超えたつながりを築く自由を与える取り組みです。