MIT、好奇心駆動の基礎科学を擁護

科学への投資訴え

コーンブルース学長が公的投資を要請
基礎科学は経済の源泉
投資は賭けではないと強調

若手研究者の挑戦

チップ創薬加速
核融合の商用化へ前進
AIの文脈劣化解決を研究

資金不安への懸念

NIH・NSFの資金不安定
国際研究者の移民不確実性
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米マサチューセッツ工科大学(MIT)は6月25日、科学誌サイエンティフィック・アメリカンが16日に公開した特集「若き米国の科学者2026」を取り上げ、教員らが好奇心駆動の科学の重要性を訴えたと報じました。同特集は若手研究者を紹介し、不確実な時代でも科学に献身する理由を語る内容です。サリー・コーンブルース学長は、発見は「米国のDNAの一部」であり、必要なのは米国科学への公的投資の再強化だと強調しました。

学長は「米国科学への投資は賭けではない。歴史を振り返れば、その恩恵に疑いの余地はない」と述べています。一方で、技術的には最高にわくわくする時期である半面、科学予算の継続性に人々がこれほど不安を感じた状況はかつてないとも指摘しました。ロバート・ランガー教授も、過去50年から100年の米国科学の成果は目覚ましいと評価しています。

特集では若手の具体的な研究も光ります。客員研究者のアリス・スタントン氏は人間の脳の3D組織モデル「miBrain」を開発し、アルツハイマー病やパーキンソン病の個別化治療を目指しています。コモンウェルス・フュージョン・システムズCEOのボブ・マンガード氏は核融合発電の商用化に取り組み、大学院生のアレックス・ジャン氏はAI言語モデルが情報生成とともに劣化する「文脈劣化(context rot)」の解決に挑んでいます。

ただし、研究者の多くが連邦政府の資金に懸念を示しました。CRISPR遺伝子編集技術を開発したフェン・ジャン教授は、NIH(国立衛生研究所)やNSF(全米科学財団)の資金の不安定さ、国際研究者の移民の不確実性、専門知識への信頼の低下を挙げ、「保護を怠れば、米国は急速に優位を失う」と警告しています。

それでも楽観を語る声もあります。ランガー教授は「米国のイノベーションの歴史を見れば、世界大戦や恐慌など幾多の挫折を経ても、人々は学び、発見し、発明を続けてきた」と述べ、現状を最悪の時期ではないと語りました。経営者やリーダーにとって、基礎研究への継続投資が10年後20年後の経済的インパクトを左右するという視点は示唆に富みます。