顔認識の誤認逮捕でACLUが提訴、技術の限界が露呈
誤認逮捕の経緯
FACESシステムの問題
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フロリダ州フォートマイヤーズに住む52歳の商業漁師ロバート・ディロン氏が、顔認識技術の誤った照合結果に基づき、児童への声かけ容疑で不当に逮捕されていたことが明らかになりました。米自由人権協会(ACLU)が6月に提訴し、顔認識を使った捜査の危険性を改めて問うています。事件は2023年11月、ジャクソンビルビーチのマクドナルドで発生しましたが、ディロン氏は現場から約500km離れた場所に住んでおり、同市を訪れたことすらないと主張しています。
捜査では、ピネラス郡保安局が運用する顔認識システムFACESが防犯カメラ映像とディロン氏の写真を「93%一致」と判定しました。しかしこのスコアは、2人が同一人物である確率ではなく、画像の類似度を示す数値にすぎません。さらに、ディロン氏名義の車両が事件前後に現場付近で検出されなかったというナンバープレートリーダーの記録は、令状申請書から省かれていました。
ディロン氏は自宅で妻の目の前で逮捕され、保釈金のためにトラックの権利証を担保に入れました。カニ漁のピークシーズンと重なり、家賃滞納で自宅を失いかけたといいます。逮捕写真は約1年間オンラインに残り、見知らぬ人から事件について尋ねられる日々が続いています。起訴は数週間後に全件取り下げとなりましたが、捜査担当の警察官はその後昇進しました。
FACESは2001年から稼働する全米最古級の顔認識データベースで、フロリダ州の数千万件の逮捕写真や運転免許証写真を保有しています。最盛期にはFBIやICEを含む260以上の機関がアクセスしていました。2016年のジョージタウン大学の調査では、検索の監査が行われていないことが判明しており、平和的な抗議活動の参加者にも無断で使用された実態が報じられています。
ACLUによれば、ディロン氏の事件は顔認識技術に起因する全米で少なくとも15件目の誤認逮捕です。同じジャクソンビル保安局は今年初めにも、別の男性を自動車窃盗容疑で誤認逮捕し、約3か月の勾留中に住居と職と子どもの親権を失わせています。ACLUは3つの法執行機関に対し、損害賠償と顔認識運用ポリシーの抜本的な見直しを求めています。