Suno利用者、自作AI曲だけを聴く傾向が拡大

広がる自作AI音楽依存

Spotify離れし自作曲のみ聴取
年間2239回自作曲を再生した例も
ナルシシズムか怠惰かで議論

音楽文化への影響

既存ジャンルの無知が背景に
プロの技術習得を省略する風潮
超個人化がアート消費を変容
取材拒否が示す自覚の存在
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AI音楽生成サービスSunoの利用者コミュニティで、自分が生成したAI楽曲のみを聴き、Spotifyなどのストリーミングサービスをほぼ使わなくなったと公言するユーザーが増えていることが、米メディアThe Vergeの取材で明らかになりました。Reddit上のSunoAIコミュニティでは「自分の曲しか聴かなくなった」「年間2,239回自作曲を再生した」といった投稿が相次いでいます。

記者が十数人以上のユーザーに取材を試みましたが、全員が取材を拒否しました。オンレコードでAI生成曲を人間のアーティストより好む理由を説明したい人はおらず、その沈黙自体が行動への自覚を示唆しています。Reddit上で見つかった理由は「自分の好みに最も合う」「カントリーラップなど珍しいジャンルが手に入る」といったものでした。

しかし記事は、こうした「珍しいジャンル」がすでに音楽史上に豊富に存在することを具体例で反論しています。カントリーとヒップホップの融合は1980年代から存在し、ダンスミュージックとラップの交差もAfrika BambaataaやSnap!の時代から続いています。ユーザーが主張する「見つからない音楽」は、実際には探す努力を怠っているだけだと指摘されています。

YouTuberで音楽家のAdam Neelyはこの現象をナルシシズムとハイパーパーソナライゼーションの副産物と分析しています。一方、記事の筆者は怠惰が主因と見ています。楽器を何年もかけて習得する代わりにプロンプトを入力するだけで済むSunoは、即時的な満足感を求める人々にショートカットを提供しています。アルゴリズムによる推薦の限界や情報過多の時代に、音楽を探す労力そのものを回避する手段としてAIが選ばれている構図です。

この現象は、AI生成コンテンツが人間の創作物を代替するのではなく、消費行動そのものを変容させている事例として注目されます。アートへの能動的な関与が薄れ、自己完結的なコンテンツ消費が広がることは、音楽産業だけでなくクリエイティブ産業全体にとって新たな課題を突きつけています。