D&Bが6.4億社DBをAIエージェント対応に刷新

レガシー基盤の限界

人間向け設計エージェントの壁に
分散DB統合でサブ秒応答実現
静的関係から動的関係追跡へ転換

エージェント時代の新設計

MCP経由の構造化アクセス層構築
Know Your Agentで認証モデル刷新
A2Aプロトコル対応の検証エージェント
データリネージュを設計初期から組込み
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Dun & Bradstreet(D&B;)は、180年以上かけて構築した6億4200万社を網羅する商用データベース「Commercial Graph」を、AIエージェント向けに全面的に再構築しました。従来のシステムは信用アナリストや営業担当者など人間の利用を前提に設計されており、顧客がAIエージェントを与信・調達・サプライチェーン業務に投入し始めた段階で、サブ秒レベルの応答速度や動的な企業関係の追跡といった要件に対応できないことが判明しました。

再構築では、分散していた複数のデータベースをクラウドに統合し、データファブリック層で各市場のレコードを標準化しました。その上にMCP(Model Context Protocol)を通じた構造化アクセス層を構築し、エージェントが生のSQLではなくコンテキスト付きのツールとスキルを通じてデータにアクセスできるようにしています。すべてのクエリの背後にはエンティティ解決エンジンが動作し、企業名の曖昧な一致ではなく、検証済みの特定エンティティへの解決を保証します。

認証面では「Know Your Agent」という新概念を導入しました。エージェントはIPアドレスと個別アクセスキーの登録が必要で、人間ユーザーと同じパイプラインで認証されます。さらに、マルチエージェントワークフローで複数のエージェントが同一エンティティを参照し続けることを保証する検証エージェントも構築し、GoogleA2Aプロトコル上で提供しています。

D&B;のGary Kotovets最高データ・アナリティクス責任者は、過去6カ月間に数百人のCDO・CIOと対話した結果、データ基盤の標準化・正規化がAIエージェント展開の最大の障壁であることが共通の課題だと述べています。同氏は企業がエージェント導入前に取り組むべき4要件として、データ基盤の整備、動的関係の設計、マルチエージェント間のエンティティ一貫性チェック、そしてデータリネージュの初期組込みを挙げました。