AdventHealth、医療AI全社展開で事務負担80%削減
運用と成果
利用管理業務の所要時間を大幅短縮
部門別ピアグループで現場主導の普及
採用率を業務KPIとして日次追跡
文書作成や要約の手戻り削減
臨床医が定時で帰宅可能に
出典:OpenAI公式
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米大手医療システムAdventHealthは、OpenAIの医療向けChatGPTを全社導入し、事務作業に費やす時間を80%削減したと発表しました。同社は9州で数百万人の患者を診療しており、医師や事務スタッフの業務負担増大が長年の課題でした。最高AI責任者のRob Purinton氏は「AIの最大の難題は、人間に安全かつ一貫して大規模に使わせること」と述べ、導入そのものを成果指標として位置づける方針を採りました。
最初に効果が現れたのは利用管理(ユーティリゼーション・マネジメント)業務です。従来1件あたり約10分かかっていた症例レビューで、ChatGPTがカルテの構造化要約や根拠案の作成を担い、医師は最終判断に集中できるようになりました。効果測定には自己申告ではなく、電子カルテのタイムスタンプを用いた客観的データを採用しています。
臨床部門以外でも財務・人事・ITなど全部門に同様の効率化が波及しました。文書の初稿作成、ポリシーの構造化変換、会議メモの要約といった定型業務で手戻りが減り、サイクルタイムが短縮されています。導入推進には大規模な集合研修ではなく、部門ごとのピアグループ方式を採用し、各現場に適したプロンプトやワークフローを共有しました。
Purinton氏は「10分の作業を2分にし、それが週1000回あれば本物の余力になる」と語り、削減した時間を患者ケアや高付加価値業務に再投資する方針を示しました。ある医師は夜間の持ち帰り文書作成から解放され、定時に帰宅できるようになったと報告されています。同社は今後、患者アクセス改善や臨床意思決定支援など新領域への展開を進める計画です。