AI研究者Richard Socher、自己改善型AI企業を6.5億ドルで創業
再帰的自己改善への挑戦
独自技術と事業展望
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AI研究者のRichard Socher氏が、サンフランシスコを拠点とする新スタートアップRecursive Superintelligenceを設立し、2026年5月14日にステルスモードから姿を現しました。同社は6億5000万ドルの資金調達を完了しています。Socher氏はチャットボットスタートアップYou.comの創業者であり、画像認識研究のImageNetでも知られる人物です。
同社が目指すのは、AIが自らの弱点を自律的に特定し、人間の関与なしに自身を再設計する再帰的自己改善(Recursive Self-Improvement)の実現です。共同創業者にはAI研究の重鎮Peter Norvig氏、ユニコーン企業Crestaを築いたTim Shi氏、Google DeepMindでオープンエンド性研究を率いたTim Rocktäschel氏、元OpenAIのJosh Tobin氏らが名を連ねます。
技術的な差別化の核となるのが「オープンエンド性」という概念です。生物の進化のように、AIシステム同士が互いに適応・反適応を繰り返すことで、終わりなく能力を向上させる仕組みを構築します。具体例として、2つのAIが攻撃と防御を繰り返す「レインボーチーミング」があり、この手法は現在すべての主要AI研究所で採用されています。
Socher氏は「既存の大手ラボとは異なるアプローチをとっている」と述べ、単なる研究機関ではなく実用的な製品を届ける企業を目指すと強調しました。最初の製品は「数年ではなく数四半期以内」に提供される見通しです。さらに同氏は、再帰的自己改善が実現すれば計算資源の配分こそが人類にとって最大の問題になると指摘。「どの病気を先に解決するか、どれだけの計算資源を投入するか」という資源配分の判断が、将来の最重要課題になるとの見解を示しました。